泉環境相 温暖化サミッ
ト出席も具体策の発言なし

ニューヨークを訪れている小泉環境大臣は日本政府を代表して国連の温暖化対策サミットに出席しました。各国が再生可能エネルギーの大幅な導入などを打ち出す一方、今回、日本は具体的な新しい取り組みを示すことはありませんでした。

温暖化対策サミットには、国連のグテーレス事務総長の呼びかけでドイツのメルケル首相などおよそ60か国の首脳級が出席し、再生可能エネルギーの大幅な導入など新たな取り組みを発表しました。

一方、日本の安倍総理は出席せず、代わりに小泉環境大臣が出席しましたが、具体的な対策などについて発言する機会はありませんでした。

若者を中心に地球温暖化の状況が危機的だという訴えが世界中でかつてないほど高まる中、日本については、二酸化炭素を排出する石炭火力発電所の増設が進められるなど対策が不十分だという指摘も出ています。

小泉大臣は今回が就任後初めての国際会議への出席でしたが、温暖化対策に積極的な国々と比較すると具体的な新しい内容に踏み込むことはほとんどなく、今後、日本としてどのように取り組んでいくのかが問われています。

各国に温度差 米やブラジル 具体策発表せず

温室効果ガスの排出量が急速に増えているインドからはモディ首相が出席して再生可能エネルギーの導入を大幅に進めると約束し、フランスのマクロン大統領が発展途上国での温暖化対策を進めるため資金面での支援を増やす考えを示しました。

またサミットに合わせた記者発表で、66の国と地域が2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすると約束しました。

一方で、世界最大の熱帯雨林を抱えるブラジルのボルソナロ大統領や、石炭や天然ガスの輸出国オーストラリアのモリソン首相は欠席しました。

アメリカのトランプ大統領は、短時間出席したものの発言しないまま退席し、各国の間で温度差が浮き彫りになりました。

サミットでは、温暖化対策を訴える若者の運動が世界に広がるきっかけとなったスウェーデンの16歳、グレタ・トゥーンベリさんも演説し、「あなたたちの空虚なことばが私の夢と子ども時代を奪った」と述べて、現状を厳しく批判しました。

そのうえで「未来の世代の目はあなたたちに注がれている」と述べて、各国にさらなる対策を迫りました。