島の漁業者に不安与え
後任の大臣としておわび」

福島第一原子力発電所にたまり続ける、放射性物質のトリチウムなどを含む水の処分をめぐる、前の環境大臣の発言に地元が反発する中、小泉環境大臣が福島県いわき市で県漁業協同組合連合会の幹部と面会し「漁業者に不安を与えてしまった」として陳謝しました。

福島第一原発で出る汚染水を処理したあとの水をめぐって、原田前環境大臣は10日の記者会見で「海洋放出しか方法がないというのが私の印象だ」などと述べ、福島県の漁業関係者から反発の声が出ています。

こうした中、小泉環境大臣は12日午後、福島県いわき市で県漁業協同組合連合会の幹部と面会しました。

県漁連によりますと、この中で小泉大臣は「発言は前大臣の個人的な所感ではあるが、福島の漁業者に不安を与えてしまい、後任の大臣としてまず、おわびしたい」と陳謝したということです。

これに対し、県漁連の鈴木哲二専務理事は「原発の状況がようやく落ち着き、漁業も復興に向けて前進し始めた時期での発言で、看過できない。福島の状況をしっかり見てほしい」と伝え、小泉大臣は「これからしっかり福島を見て、復興を進めていく」と述べたということです。

小泉環境大臣は12日夕方、福島県庁で記者団に対し「原田前大臣の発言によって傷ついた県民の方々には私としても大変、申し訳なく思う。『所管外』と断ったうえでの発言とはいえ、しっかり向き合うことをやらなければならないと思った」と述べました。

そのうえで小泉大臣は12日午後、県漁業協同組合連合会の幹部と面会したことについて「率直に『申し訳ない』と伝えた」と述べました。