労省「暑い、暗い」若手
職員から不満で抜本改善へ

根本厚生労働大臣は、「暑い、暗い」など、職場環境について若手職員から不満の声が寄せられたことを受けて、省内の冷房の温度や照明の明るさなど一部を改善したことを明らかにしたうえで、今後も抜本的な業務改善に取り組む考えを示しました。

厚生労働省の若手職員は先月、組織改革についての提言をまとめ、残業などが多く「生きながら人生の墓場に入った」、「拘牢省(こうろうしょう)だ」という悲痛な声が寄せられたほか、省内が「暑い、狭い、暗い」という不満も出されました。

これを受けて、根本厚生労働大臣は閣議のあとの記者会見で、「単なる提言で終わらせることなく、生きた提言にしなければならない。できることはすぐに取り組む」と述べ、今月から一部、職場環境の改善に乗り出したことを明らかにしました。

具体的には、省内の冷房の温度について、室温が28度を超えた場合、柔軟に温度を下げることができるようになったほか、廊下が暗いという指摘を踏まえ、これまでは節電のため4本中1本だけつけていた蛍光灯を、4本中3本つけることになりました。

一方、若手の提言では、職員の大幅な増員や国会対応の効率化なども求めていて、根本大臣は、今後も事務次官をトップにしたチームで抜本的な業務改善に取り組む考えを示しました。

提言受け現場では…

厚生労働省は若手職員からの提言を受け、今月4日から節電のため4本中1本しかつけていなかった廊下の蛍光灯を3本に増やしました。厚生労働省が入る合同庁舎の廊下はほとんど窓がないため、以前は日中でも薄暗い状態でしたが、今では明るく見通しがよくなりました。

また、これまで空調の温度は27度に設定され管理室で一括管理していましたが、今月5日以降は日当たりが良く空調が効きにくい部屋などで室内の温度が28度を超えた場合、現場の職員が連絡すれば柔軟に設定温度を下げる対応をとるようにしたということです。

会計課の28歳の女性職員は「これまで暑いときはうちわであおぐしかありませんでしたが、今は過ごしやすくなりました。また廊下が明るくなったことで気分もよくなり、働く意欲があがっています」と話していました。

このほかにも若手職員がまとめた提言では人手不足の解消に向けて人員を増やすことや業務の効率化を進めることなどを求めています。

提言をまとめたメンバーの1人で職業安定局総務課の中村舞係長は「声をあげれば組織が動くことがわかった。今回の取り組みが小さな一歩だったとしても今後も働きかけを1つ1つ積み重ねて、働きやすい環境を作っていきたい」と話していました。