発の汚染水処理 韓国の
憂慮伝達で外務省が抗議

東京電力福島第一原子力発電所の放射性物質を含む水の処理方法をめぐり、韓国政府が、5日、IAEA=国際原子力機関に深刻な憂慮を伝えたと発表したことに対し、外務省は、「科学的根拠に基づいておらず、極めて遺憾だ」として、韓国側に抗議しました。

東京電力福島第一原発では、トリチウムなどの放射性物質を含む水が増え続けていて、水を保管するタンクが、このままであれば3年後の2022年夏ごろに満杯になることから、処理方法が検討されています。

こうした中、韓国の科学技術情報通信省は、5日、IAEAに書簡を送ったと発表し、トリチウムなどを含む水を海に放出する場合の環境への影響について、深刻な憂慮を伝えるとともに、IAEAにより積極的な役割を果たすよう求めたということです。

これに対して、日本の外務省は、6日午前、国際原子力協力室長が、東京にある韓国大使館の経済部次長に電話し「科学的根拠に基づいておらず、極めて遺憾だ。いわれのない風評被害を及ぼしかねない」と述べ、抗議しました。

菅官房長官「極めて遺憾 強く抗議」

菅官房長官は、記者会見で「韓国側が発表した内容は事実関係、および科学的根拠に基づかず、いわれのない風評被害を及ぼしかねないもので極めて遺憾であり、韓国側に対し外交ルートを通じて強く抗議した」と述べました。

そのうえで、菅官房長官は「今月中旬のIAEA総会などに向け韓国側の動きを注視し、関係省庁が一体となって適切に対応していきたい。韓国には事実関係および科学的根拠に基づく対応を取るよう強く求めていく」と述べました。