務活動費で偉人の漫画
住民側逆転敗訴 東京高裁

自民党の静岡市議団が政務活動費で地元の偉人を紹介する漫画を作成・配布したのは違法だとして、返還を求めるよう住民が市を訴えた裁判で東京高等裁判所は、支出の一部を違法とした1審の判決を取り消し、住民側の訴えを全面的に退けました。

この裁判は、自民党の静岡市議団が政務活動費など1500万円余りを使って、静岡茶の礎を築いたとされる地元の偉人「聖一国師」を紹介する漫画を作成・配布したのは違法だとして、住民2人が活動費の返還を求めるよう市を訴えたものです。

1審の静岡地方裁判所はことし2月、政務活動費で漫画の作成や配布をしたことは違法ではないとする一方、市外の団体への配布については活動費の使いみちを定めた基準に反するとして市に40万円余りの返還を求めるよう命じました。

21日の2審の判決で、東京高等裁判所の白石哲裁判長は「市外の団体に漫画を配布して関係者の反応をみることは、調査研究の一環といえる」などとして支出の一部を違法とした1審の判決を取り消し、住民側の訴えを全面的に退けました。