路での北方領土墓参
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北方領土への航空機を利用した墓参に参加した元島民らの訪問団が墓参を終えて11日、北海道の中標津空港に戻りました。

航空機を利用した北方領土への墓参は、高齢化した元島民の負担を減らそうと、おととしの日ロ首脳会談で合意されたもので、3回目のことしは元島民ら67人が参加しました。

訪問団は10日、チャーター機で移動し、国後島と択捉島に分かれてそれぞれの島の墓地で慰霊式を行い、11日昼ごろ、中標津空港に戻りました。今回の墓参では、ロシア側との調整がつかずここ5~6年は訪れることができなかった墓地への訪問が実現しました。

訪問団の団長を務めた国後島出身の大塚小彌太さんは、記者会見で「今回は天候に恵まれた。船での墓参は時間がかかるが、今回は時間がかなり短縮され、私も含め高齢者の方々は皆喜んでいた」と話しました。

また、同行した外務省欧州局の宇山秀樹審議官は「しばらく行けなかった墓地に行けたことは大変喜ばしいが、次回行けるという保証はない。元島民の皆さんの要望を踏まえて、今後ともロシア側と折衝していきたい」と述べました。

ロシア警察官が記者団に罰金要求 日本側は拒否

外務省関係者によりますと、ロシアの警察官が国後島で同行取材をしていた日本側の記者らに対し「ロシア人に取材したのは法律違反だ」として罰金の支払いを求めたということですが、同行していた外務省の担当者は「そうした事実はなく、日本の法的立場からも受け入れられない」として拒否したということです。