議が個人情報持ち出し
選挙利用の疑い 平塚

ことし4月の統一地方選挙で行われた神奈川県平塚市の市議会議員選挙で初当選した40歳の議員が、去年、市の教育委員会を退職する際に3万件余りの市民の個人情報を不正に持ち出し選挙に利用した疑いがあることがわかりました。

これは平塚市が記者会見で明らかにしました。それによりますと、ことし4月に初当選した市議会議員の渡部亮氏(40)は去年まで市教育委員会に勤務していましたが、退職する前後の去年11月と12月、2回にわたり市民の住所や口座番号などの個人情報、合わせて3万1000件余りを不正に持ち出した疑いがあるということです。

ことし4月、渡部氏から選挙で支援を求めるはがきが送られてきたという市民から「個人情報が漏れている可能性がある」と指摘があり、市が調べたところ、渡部氏が、USBでパソコンから情報をコピーした形跡が見つかったということです。

これについて渡部氏も記者会見し、「個人情報への認識が甘く、安易に考えていた」と謝罪する一方、データ量が多かったためすべてはコピーできず、実際に持ち出したのは200件余りだったとし、退職のあいさつをするのが目的で、データはスタッフに預けていたので選挙に使われたかわからないなどと説明しました。

ただ、渡部氏がデータをコピーできたと主張する市民以外にもはがきが届いているということで市は個人情報保護条例違反の疑いで刑事告発を検討しています。