方領土 ロシアの抗議に
日本大使「極めて遺憾」

ロシア外務省は今月、メドベージェフ首相が北方領土の択捉島を訪れたことや、周辺海域での射撃訓練についての日本側の抗議を受けて、ロシアに駐在する上月大使を呼び、容認できず内政干渉にあたるものだと強調しました。

日本政府は今月2日、ロシアのメドベージェフ首相が北方領土の択捉島を訪れたことや、北方領土の周辺海域で射撃訓練を行うと通告してきたことに対し、抗議してきました。

ロシア外務省によりますと、これを受けてモルグロフ次官が6日、ロシアに駐在する上月豊久大使を呼び、「第二次世界大戦の結果として合法的にロシア領となった島々におけるわれわれの活動に対する日本政府の抗議は容認できず、内政に干渉しようとするものだ」と強調したということです。

一方、日本大使館によりますと、ロシア側の申し入れに対して上月大使は、メドベージェフ首相の択捉島訪問は、「日本の一貫した立場と相いれず、日本国民の感情を傷つけるものであり、極めて遺憾だ」と述べ、射撃訓練についても「ロシア軍による軍備強化につながるもので、受け入れられない」と反論したということです。

そのうえで、上月大使は「立場の違いを埋め、日ロ間で長い間存在する問題に終止符を打つべく、平和条約交渉を精力的に行う必要がある」と述べたということです。

菅官房長官「受け入れられない」

ロシアが、メドベージェフ首相の択捉島訪問などへの日本の抗議は内政干渉だと指摘していることについて、菅官房長官は記者会見で「受け入れられない」としてロシア外務省に反論したことを明らかにしました。

北方領土をめぐって日本政府は、今月2日にメドベージェフ首相が択捉島を訪れたことや、周辺海域で射撃訓練を行うと通告してきたことに対し抗議してきました。

これに対して、ロシア外務省のモルグロフ次官は6日、ロシアに駐在する上月豊久大使を呼び「日本政府の抗議は容認できず、内政に干渉しようとするものだ」と主張しました。

これについて菅官房長官は「モルグロフ次官に対し、上月大使からロシア側の申し入れは受け入れられないと反論を行った」と述べました。

そのうえで「政府としては、北方領土問題を解決してロシアと平和条約を締結するとの基本方針のもとで、引き続き粘り強く交渉していきたい」と述べました。