村市長 検閲ととられ
てもしかたなく違憲の疑い」

愛知県で開かれている国際芸術祭で慰安婦問題を象徴する少女像などの展示が中止されたことに関連し、愛知県の大村知事は5日、展示中止を求めた名古屋市の河村市長の発言を「検閲ととられてもしかたない。憲法違反の疑いが濃厚だ」と批判しました。

愛知県で8月1日に開幕した国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」では、「表現の不自由」をテーマに慰安婦問題を象徴する少女像などの展示コーナーが設けられていましたが、芸術祭の実行委員会は3日、少女像を含むコーナー全体の展示を中止すると発表しました。

発表に先立ち、実行委員会の会長代行を務める名古屋市の河村市長は「日本国民の心を踏みにじるものだ。税金を使ってやるべきものではない」として、実行委員会会長の大村知事に展示の中止を求めていました。

大村知事は5日の記者会見で「公権力が『この内容はよくてこれはダメだ』と言うのは検閲ととられてもしかたない。河村市長の発言は憲法違反の疑いが濃厚だ」と批判しました。

一方、名古屋市の河村市長は5日の記者会見で「それなら堂々と『あの展示は正しい』『名古屋市や愛知県、国が展示を認めたのだ』と言ってほしい。本当にいいと思っているのか」と反論し、展示までの経過などを速やかに調査し、公表する考えを示しました。