術祭に慰安婦問題像
「脅迫ともとれる電話も」

愛知県で開かれている国際芸術祭に慰安婦問題を象徴する少女像が展示され、批判的な電話などが殺到していることについて、芸術監督の津田大介さんが会見し「テロ予告や脅迫とも取れるような電話もあり応対した職員を追い詰めている」として、状況が改善しなければ展示の変更も含め何らかの対処を行う考えを示しました。

愛知県で1日開幕した国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」には、「表現の不自由」をテーマに慰安婦問題を象徴する少女像などが展示されています。

事務局の愛知県によりますと、この展示をめぐって1日、夕方までに撤去を求めるなど批判的な電話およそ200件、メールが500件寄せられ、2日もこれまでにほぼ同数の電話やメールが殺到しているということです。

これを受けて芸術監督を務める津田大介さんが2日夕方会見を開き「行政が展覧会の内容について隅から隅まで口を出し、表現を認める認めないを決めようとするのは、憲法21条の『検閲』に当たる。多くの人が不快になる表現があることは分かっているが、これらの作品が公の美術館から撤去されてきたという事実が議論になればいいと思っている」と述べました。

ただ、事務局へ電話などが殺到していることについては「テロ予告や脅迫とも取れるような電話もあり、電話応対した職員を追い詰める状況が起きている」として、来場者や職員の安全が危ぶまれる状況が改善されないようであれば、展示の変更も含め何らかの対処を行う考えを示しました。

河村市長「税金を使ってやるべきではない」

芸術祭の実行委員会の会長代行を務める名古屋市の河村市長は、2日、名古屋市東区にある芸術祭の会場を訪れ、担当者から説明を受けながら少女像などを視察しました。

このあと河村市長は記者団に対し、「どう考えても日本国民の心を踏みにじるものだ。税金を使ってやるべきものではない」と述べました。

そのうえで、実行委員会の会長を務める愛知県の大村知事に対し、少女像などの展示を中止するよう求める考えを示し、2日夕方、事務方を通じてこうした文書を提出しました。

大村知事「事実関係を確認する」

国際芸術祭の実行委員会の会長を務める愛知県の大村知事は「事実関係を確認したうえでコメントさせていただく」というコメントを発表しました。

官房長官「補助金 精査したうえで適切に対応」

菅官房長官は2日の閣議のあとの記者会見で「企画の1つとして、慰安婦を象徴する少女像などが出展されていることは承知している」と述べました。

そのうえで「『あいちトリエンナーレ』は文化庁の補助事業として採択されている。審査の時点では、具体的な展示内容の記載はなかったことから、補助金の交付決定では事実関係を確認、精査したうえで適切に対応していきたい」と述べ、事実関係を精査し、補助金を交付するかどうか慎重に検討する考えを示しました。

柴山文科相「交付は事実関係確認したうえで」

愛知県で開かれている国際芸術展「あいちトリエンナーレ2019」は、文化庁が「文化資源活用推進事業補助金」の対象として採択し、現在、7800万円を交付するかどうか手続きを行っていました。

柴山文部科学大臣は2日午前の記者会見で「事業の趣旨に合致しているかという観点で審査を行ったが、具体的な展示内容についての記載はなかった」と述べました。

そのうえで「実施計画書の企画内容や本事業の目的と照らし合わせて確認すべき点が見受けられるので、補助金の交付にあたっては、そういった事実関係を確認したうえで、適切に対応していきたい」と話し、実際に交付するかどうか、今後、慎重に検討する考えを示しました。

また、開幕前日の先月31日に行われたレセプションを招待されていた文化庁職員が欠席したことについては、文化庁の担当者が「報道を受けて、事実関係などの対応にあたっていたため取りやめた」と説明しました。