土・主権展示館」に
北方領土の展示をと提言

領土や主権に関する情報発信の在り方を検討している政府の有識者懇談会は、沖縄県の尖閣諸島などの資料を展示する「領土・主権展示館」の移転に伴って、新たに北方領土の展示も加え、従来の日本の主張を発信するよう求める提言をまとめました。

政府が去年東京千代田区に開設した「領土・主権展示館」は、沖縄県の尖閣諸島などの資料を展示していますが、展示スペースを拡張するため、今年度中に近くに移転される予定です。

政府の有識者懇談会がまとめた提言では、現在の展示館に北方領土に関する資料が展示されていないことから、「対外的に間違ったメッセージを送るおそれがある」と指摘し、新しい展示館では「従来の日本の主張と立場をしっかり発信すべきだ」と求めています。

政府はことし2月、「北方領土は日本固有の領土か」という質問主意書に対し、ロシアとの平和条約交渉に支障を来すおそれがあるとして、「答えを差し控える」とする答弁書を閣議決定していて、今後の対応が注目されます。

また提言では、尖閣諸島や島根県の竹島などに関する情報発信について、中国や韓国の主張に効果的に反論するよう求める一方、「領土に関する教育は嫌悪感だけを生むことにならないよう配慮すべきだ」としています。

領土問題を担当する宮腰沖縄・北方担当大臣は「わが国の立場への正確な理解が浸透するよう、内外発信の強化に努めていきたい」と述べました。