院本会議場バリアフリー
や介助者容認へ

参議院選挙で大型の車いすを使う難病の患者が当選したことなどから、参議院では、本会議場の改修をはじめ、バリアフリー化が進められることになりました。

さきの参議院選挙では、れいわ新選組から、全身の筋肉が動かなくなる難病のALS=筋萎縮性側索硬化症と診断された舩後靖彦氏と、幼いときに障害を負い手足がほとんど動かなくなった木村英子氏の2人が初当選しました。

参議院では、来月1日に召集される臨時国会を前に、大型の車いすを使う2人が活動しやすい環境を整備するため、25日、与野党が参加する議院運営委員会の理事会で対応を協議しました。

その結果、参議院の事務局が事前に聞き取った2人の希望も踏まえて、国会の中央玄関と参議院の正面玄関にスロープを設置することや、本会議場の出入り口近くの席を改修し、2人が出席できるスペースを設けることを決めました。

また、本会議の採決では付き添いの介助者が代わりに投票を行うことや、意思疎通のためのパソコンの持ち込みも認めるなど、バリアフリー化を進めることになりました。

さらに、参議院選挙で初当選し、国民民主党に入党した元パラリンピック日本代表の横澤高徳氏も車いすを使っているため、採決では起立でなく挙手による表明を認めることなども決めました。

参院 議運委員長「100%円滑に議員活動ができるように」

参議院議院運営委員会の末松信介委員長は「本人の意向を尊重することを、まず大事にしたい。100%円滑に議員活動ができるよう、議院運営委員会として配慮し、努力していくことで一致した。今後は介助者などからも意見を聞き、尊重していきたい」と述べました。

与党側理事「最大限の準備整え臨時国会迎えたい」

参議院議院運営委員会で与党側の理事を務める自民党の大家敏志氏は「これまでの対応で遅れている面も含め、しっかりと現状を変えていきたい。日にちは限られているが、最大限の準備を整えて臨時国会を迎えたい」と述べました。

野党側筆頭理事「国会がバリアフリー化の先頭に」

参議院議院運営委員会で野党側の筆頭理事を務める立憲民主党の白眞勲氏は「国民の負託を受けて国会議員として活動する以上、99%ではなく100%の意思が議会に通じるようにしなくてはいけない。これを機に、しっかりとバリアフリー化していくことで一致したので、国会議事堂が先頭走者になれるよう、しっかりと対応していく」と述べました。

立民 枝野代表「従来やれていなかったことが問題」

立憲民主党の枝野代表は記者団に、「従来やれていなかったこと自体が問題であって、新たに当選した方が国会できちんと仕事をしてもらえるよう、野党第1党の責任として、党の国会対策委員会などに指示した」と述べました。

国民 玉木代表「衆議院でも環境整備を」

国民民主党の玉木代表は記者団に、「世の中に比べて国会が劣っていることはたくさんあるが、最も進んだ場所が国会だということを示すいい機会だ。参議院に限らず衆議院でも、重い障害がある方が活動しやすいような環境整備が重要であり、必要最小限ではなく、いかなる人も利用できるような高度な合理的配慮を衆参両院でやるべきだ」と述べました。

国会バリアフリー化 これまでは

国会では、車いすを使っていた八代英太さんが昭和52年の参議院選挙で初当選したのをきっかけにスロープの整備などが始まったということです。

八代さんはその後、30年近く議員を務め、現在の国会には車いす用のトイレなども設置されています。

またこれまでも本会議場で登壇が困難な議員から参議院の職員が木札を預かって投票したことがあったということで、れいわ新選組の2人も付き添いの介助者が木札を職員に渡し、投票することになります。

一方、平成13年には、目が不自由な堀利和参議院議員が、委員長に就任し、議員に付き添われながら委員長席につき、点字の原稿をもとに議事運営にあたったこともあります。