年投票率1%減ると
1人7万8000円損の試算

21日に投票が行われる参議院選挙。投票できる年齢が20歳から18歳に引き下げられてから、前回、3年前の参議院選挙、おととしの衆議院選挙に続いて国政選挙では3回目です。総務省のまとめによりますと、18歳の人の投票率は、過去2回で大きく変化しています。

3年前の参議院選挙は51.28%、翌年の衆議院選挙は47.87%でした。

都道府県別に見ると、3年前は1位が東京の62.23%。60%を超えたのは東京だけでした。2位が神奈川の58.44%、3位が愛知の58.20%と、いずれも都市部です。

逆に最も低かったのは、高知で35.29%でした。その次が宮崎の38.54%、徳島の41.20%でした。

しかし、翌年の衆議院選挙では、1位が山形の58.28%、2位が山梨の57.61%、3位が新潟の56.65%で地方が占めました。

最も低いのは、兵庫の37.88%で、大阪の41.09%、徳島の41.61%と続きます。

参議院選挙で1位の東京は22位に、2位の神奈川は26位に下がりました。

2つの選挙で比べると、最も上がったのは高知で、8.72ポイント上がりました。次いで、わずかな差で新潟、長崎などとなっています。最も下がったのは東京で13.01ポイント下がりました。

若年の投票率1%減 1人7万8000円の損

東北大学大学院経済学研究科の吉田浩教授のグループは、若い世代の投票率が1%下がると、その世代は「1人当たりおよそ7万8000円の損をすることになる」という独自の試算を出しています。

吉田教授によりますと、試算では49歳以下を「若年世代」、50歳以上を「高齢世代」と定義し、1976年からおととしまでの衆議院選挙と参議院選挙について世代別の投票率と、その年の新規国債発行額や年金、児童手当といった社会保障費の関係を分析したということです。

その結果、若年世代の投票率が1%下がった場合、その世代が受けられる給付と負担を計算すると、高齢世代と比較して1人当たりおよそ7万8000円損をすることになるとしています。

吉田教授は「投票しないとどんなデメリットがあるのか、数字で示す必要があると思い試算を行った。18歳から選挙権があるのだから、政治不参加は損失を負うことになると認識してもらい、1人でも多くの人に選挙に行ってほしい」と話しています。

総務省もPR

総務省は、今回の参議院選挙のイメージキャラクターに若い人に人気がある女優の上白石萌歌さんを起用しました。

ポスター30万枚余りを大学や自治体に配ったほか、大学のキャンパスにあるモニターなどでも、上白石さんの動画を流して、投票を呼びかけました。