朝鮮制裁決議違反疑いの
船舶「日本が入港許可」

韓国の情報機関、国家情報院のソ・フン院長(徐薫)は16日、北朝鮮産の石炭を積むなどして国連安全保障理事会の制裁決議に違反した疑いのある船舶について、日本と情報共有をしたものの入港を許可したとして「消極的な対応だ」と述べました。

韓国の情報機関、国家情報院のソ・フン院長は16日午後、非公開で開かれた国会の情報委員会で報告を行いました。

出席した国会議員によりますと、ソ・フン院長は、北朝鮮産の石炭を積んだり、石油を密輸する「瀬取り」に関わったりしたとして、国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁決議に違反した疑いがある船舶4隻について、韓国で抑留して調査したことや、ことし5月、アメリカが石炭の輸出に使われたとして北朝鮮の貨物船を差し押さえたことなどについて、「積極的な対応だ」と評価したということです。

一方、日本については、韓国側から国連安保理の制裁決議に違反した疑いがあると情報を共有したにもかかわらず、国内法が整備されていないという理由で、3隻を秋田県の能代港や沖縄県の那覇港に入港することを許可したとしています。

これについて、ソ・フン院長は「韓国やアメリカに比べて消極的な対応だ」と述べたということです。

韓国政府は、兵器に転用可能な戦略物資が北朝鮮に流出した疑いがあると日本政府が指摘したと主張していて、日本に対して国連安保理の制裁決議を履行するべきだと反発した形です。