活苦しい」57%
平均所得4年ぶり減少

1世帯当たりの平均所得は、おととし、551万円余りと4年ぶりに前の年を下回り、生活が苦しいと感じている世帯は、全体の57%に上ったことが厚生労働省の調査で分かりました。

厚生労働省は毎年、一部の世帯を抽出して所得の状況を調べる「国民生活基礎調査」を行っていて、去年7月、全国6000世帯余りから回答を得ました。

それによりますと、1世帯当たりの平均所得はおととし、551万6000円と、前の年より8万6000円減少し、4年ぶりに前の年を下回りました。

所得が平均を下回る世帯は全体の62.4%にのぼり、過去最多となっています。

子どもがいる世帯の平均所得は743万6000円、高齢者世帯の平均所得は334万9000円でした。

また、生活の状況についてどう感じているかをたずねたところ「大変苦しい」と答えた世帯が24.4%、「やや苦しい」と答えた世帯が33.3%と、合わせて57.7%が生活が「苦しい」と回答しています。

子どもがいる世帯で生活が苦しいと答えたのは62.1%、高齢者世帯では55.1%でした。

厚生労働省は「比較的所得が低い高齢者世帯が増加していることで平均所得が減少したとみられ、低所得世帯への支援に引き続き力を入れていきたい」としています。

所得減の背景に高齢者世帯の増加

1世帯あたりの平均所得が減少した要因について、厚生労働省は比較的所得の低い「高齢者世帯」の増加を挙げています。

「高齢者世帯」は65歳以上の人だけの世帯か、65歳以上と18歳未満の子どもが暮らす世帯で、その割合は年々増加し続けています。

平成元年には全体の7.8%でしたが、高齢化が進んで急激に増加し、平成30年は27.6%と全体の4分の1以上を占めるようになりました。

こうした高齢者世帯はおととしの平均所得が334万9000円と、全世帯の平均より216万円あまり低くなっています。

年金を受け取っている高齢者世帯のうち「所得は公的年金だけ」という世帯は、51.1%と全体の半数を超えています。

高齢者世帯の割合は今後も増え続けるとみられていて、低所得の人たちの生活をどのように支えていくかが大きな課題となっています。