院選を前に活動活発化
各党の発言

来月4日に参議院選挙が公示されるのを前に、各党は活動を活発化させていて、28日も幹部から選挙戦の争点などをめぐって発言が相次ぎました。

自民 二階氏「女性議員増やしていける状況を」

自民党の二階幹事長は、安定した政権基盤を維持するためにも女性議員の増加を目指す考えを強調しました。

二階幹事長は党本部で開かれた会合に出席し「『女性の時代』と口で言うのは簡単だが、女性議員の数は先進国としていささか寂しい。女性議員を増やしていけるような状況を作らなければならない」と述べました。

そのうえで「自民党がこれから躍進し将来に向かって安定した政権基盤を確立していくためには、もっと女性が活躍する場を広げていくセンスがなくてはならない。全力を挙げてやっていく」と述べ、安定した政権基盤を維持するためにも女性議員の増加を目指す考えを強調しました。

立民 福山氏「生き方や幸せの選択肢広げる」

立憲民主党の福山幹事長は、年金の安心を高めていくことや多様性を生かした社会を実現するための政策などを訴えていく考えを示しました。

福山幹事長は京都市でNHKの取材に対し、「老後2000万円問題で、安倍政権が国民の生活に寄り添っていないことが明白になった。暮らしの安心を回復させる選挙と位置づけ、個人所得を上げて、年金の安心を高めていくことを強く訴えていきたい」と述べました。

また「多様性を力にする、生きやすい社会を作っていくため、選択的夫婦別姓の導入やLGBT差別解消法、同性婚も含め、それぞれの生き方や幸せの選択肢が広がるような政策を具体的に訴えていきたい」と述べました。

国民 泉氏「労働者の待遇改善などに重点」

国民民主党の泉政務調査会長は、アベノミクスによる恩恵が庶民に届いていないとして、介護や保育の分野で働く人たちの待遇改善などを訴えていく考えを示しました。

安倍政権の経済政策=アベノミクスをめぐって、泉政務調査会長は静岡市で記者団に対し、「大幅な金融緩和で企業収益を上げるところから全く庶民に届いていない。年金の2000万円の報告書の問題もあり、貯蓄ができる状況を作れていないのに『資産形成を進めよ』と命じるような真逆のことを言っている」と指摘しました。

そのうえで、来月4日に公示される参議院選挙について、「介護や保育の労働者の待遇改善や最低賃金の引き上げなど、地域で暮らす人々がお金を使えるような環境を作っていくことに最も重点を置いて訴えていきたい」と述べました。

共産 小池氏「減らない年金にする」

来月の参議院選挙に向けて、共産党の小池書記局長は、年金支給額の伸び率を物価や賃金の上昇よりも低く抑える「マクロ経済スライド」を廃止し、「減らない年金」にするとして、財源の在り方などを訴えていく考えを示しました。

来月4日に公示される参議院選挙について、共産党の小池書記局長は、京都府長岡京市で記者団に対し、「全国32の『1人区』すべてで野党側の候補者を一本化できたので、すべてで勝利するため全力を挙げていきたい」と述べました。

そのうえで、「年金が大きな争点になってきている。『マクロ経済スライド』をやめて、『減らない年金』にする。財源としては、高額所得者の保険料の優遇を正し、積み立て金を株式投資ではなく、年金給付に充てることなどで、年金の財源と基盤を固めていくことを訴えていきたい」と述べました。

維新 吉村氏「憲法改正の議論リードしていく」

日本維新の会の常任役員を務める大阪府の吉村知事は、憲法改正の議論をリードすることや消費税増税の凍結を重点的に訴えていく考えを示しました。

吉村知事は大阪府庁で記者団に対し、「特に憲法改正は強く訴え、議論をリードしていきたい。今の自民党に任せていたら、全然進まないので、参議院選挙では、この点を訴え、憲法改正を強烈に引っ張っていく役割を果たしたい」と述べました。

そのうえで「憲法改正では、教育の無償化と統治機構の改革、憲法裁判所の創設の3点を提案し訴えていく。特に教育によって日本の力を高めていくべきだということに力を入れていきたい」と述べました。

さらに、吉村知事は「消費税の増税は反対だ。せっかく景気がよくなってきているのに、ここで増税することで腰折れしてしまう。消費増税はストップというのが、維新の考え方だ」と述べました。

社民 福島氏「支え合う社会を実現する」

社民党の福島副党首は、憲法9条の改悪に反対するとともに、自己責任ではなく、支えあう社会の実現を訴えていく考えを示しました。

福島副党首はNHKの取材に対し、「安倍総理大臣は『2020年までに憲法9条を変えて施行する』と言っており、9条改悪を止める選挙だ。憲法改正の発議が行われないよう、憲法改正に反対する勢力で3分の1以上の議席を獲得するのが、最重要課題だ」と述べました。

そして、福島氏は「『年金では足りず、2000万円の貯蓄が必要だ』というのは、冗談じゃない。『自己責任でやれ』というのであれば、政府はいらない。年金や雇用の立て直しをしっかりやって、支えあう社会を実現する」と述べました。