齢者による事故増
「技術開発などを」交通白書

政府は21日の閣議で、ことしの「交通安全白書」を決定し、交通死亡事故は平成の30年間で3分の1に減った一方、高齢者による事故が多くなっているとして、身体機能の衰えをサポートする技術や社会的な取り組みが不可欠だと指摘しています。

ことしの「交通安全白書」は、平成の30年間の交通事故の傾向を特集しています。

それによりますと、1年間に交通事故で死亡した人の数は、平成元年が1万1086人だったのに対し、去年は3532人と3分の1以下に減っていて、飲酒運転の厳罰化や車の安全性能の向上などが背景にあると分析しています。

一方で運転免許証を持っている高齢者は30年間で10倍以上に増えるとともに、交通事故で死亡した人のうち高齢者が占める割合は平成22年に50%を超え、その後も増加傾向が続いています。

また75歳以上のドライバーが死亡事故の第一当事者となる割合は、去年1年で見ると75歳未満のおよそ2.4倍となっていて、ペダルの踏み間違いなどの操作ミスによる事故が多くなっています。

このため白書では、身体機能の衰えをサポートする技術や社会的な取り組みが不可欠だとして、自動ブレーキなどを備えた「安全運転サポート車」の普及や、高齢者の移動手段の確保に向けた取り組みなどを紹介しています。