ージス説明データに誤り
防衛省が秋田県議会に謝罪

新型迎撃ミサイルシステム、「イージス・アショア」の配備をめぐり、防衛省は、秋田市の自衛隊演習場以外は配備に適さないと説明してきた根拠となったデータに誤りがあったことを明らかにし、秋田県議会に謝罪しました。そのうえで、秋田市以外に適した場所はないとして、改めて理解を求めました。

これは、5日、防衛省の深澤雅貴官房審議官らが秋田県議会の全員協議会で明らかにしました。

政府は、「イージス・アショア」を秋田市の新屋演習場に配備する方針で、先月27日、そのほかの東北の国有地19か所について配備の可能性を検討した結果を秋田県や秋田市に伝え、「いずれも適していない」と説明しました。

このうち9か所については、レーダーの電波を遮蔽する山があることを理由としていましたが、5日の県議会への説明では、外部から指摘を受けて確認した結果、国有地から山を見上げた時の角度を実際より急なものとして評価していたことが分かったということです。担当者は、地図データの取り扱いを誤った人為的なミスだったと説明しました。

一方、角度を正しく評価し直しても電波を遮蔽するものがあることや、道路などのインフラ設備が整っていないことなどから、9か所はいずれも配備には適さないと説明し、秋田市以外に適した場所はないとして、改めて理解を求めました。

議員からは、「改ざんとまで言わないが疑義が持たれる状況だ」などと批判の声が相次ぎました。

質疑のあと、深澤官房審議官は、「資料に誤りがあり、改めておわびします。地元の理解がえられるよう誠意を持って取り組んでいきたい」と述べました。
秋田県の佐竹知事は、「誠に遺憾に思っている。説明資料全体について信頼感を著しく損なうもので、防衛省に対して誤りの原因を究明するとともに、精査したうえで改めて説明するよう求めたい」というコメントを出しています。
秋田県議会と秋田市議会の全員協議会を終えたあと、防衛省の深澤雅貴官房審議官は、「佐竹知事から精査して改めて説明すべきだと指摘を受けたため、どう対応するか県と市と相談したい」と話していました。

また、防衛省戦略企画課の五味賢至課長は、「新屋演習場に物理的に配備できるという考えに変わりない。今回示した配置案が最も適切で、地元の理解が深まるように説明していきたい」と話していました。