ランプ氏との密約否定
TPP水準超えない考え

日本とアメリカの貿易交渉について、安倍総理大臣は5日の参議院本会議で、先のトランプ大統領との首脳会談で、農産物に関する約束が交わされたのではないかという指摘を否定したうえで、TPP=環太平洋パートナーシップ協定の水準を上回る市場開放には応じられないという考えを強調しました。

この中で、立憲民主党の石橋通宏氏は先の日米首脳会談について、「トランプ大統領は『貿易交渉で大きな進展があった、特に農業と牛肉だ』とツイートし、会談後の共同記者会見でも『TPPなど関係ない』と発言している。1次産業を売り渡すような約束をしたのではないか」とただしました。

これに対し安倍総理大臣は「ツイートは早期合意への期待感を表明したもので、記者会見での発言も、アメリカがTPPから離脱しているという事実関係を述べたものだ。具体的な交渉はこれからで指摘のような約束をした事実は全くない」と否定しました。

そのうえで、「去年9月の日米共同声明で、農林水産品について、過去の経済連携協定で約束した内容が、最大限であるとの大前提を明確に合意している。この点が最大のポイントで、今後、農林水産業に携わる皆様の不安な気持ちにしっかり寄り添いながら交渉していく」と述べ、TPPの水準を上回る市場開放には応じられないという考えを強調しました。