て犬や捨て猫が減る」
マイクロチップ装着義務化へ

犬や猫が捨てられたり災害時にはぐれたりした時に飼い主がすぐにわかるように、マイクロチップの装着を販売業者に義務づけることなどを盛り込んだ法律の改正案が、衆議院本会議に提出されることが決まりました。

この動物愛護管理法の改正案は、31日開かれた衆議院環境委員会で、委員長提案の形で衆議院本会議に提出することが全会一致で決まりました。

改正案には、犬や猫の体にマイクロチップを埋め込むことを、繁殖を行うブリーダーやペットショップなど販売業者に義務づけることが盛り込まれています。

すでに飼われている犬や猫への装着は努力義務としています。

マイクロチップにはその犬や猫にだけ与えられた数字が記録され、連絡先などを登録すれば飼い主をたどることができます。

改正案には、マイクロチップを埋め込んだら国に住所や連絡先などを提出し登録することを販売業者などに義務づけることも盛り込まれました。

また、現在は生まれてから49日たてば販売や展示をすることができますが、生後まもなく親から離されて販売された犬や猫は、成長したあとに人にかみついたりほえたりしやすくなり捨てられるおそれがあるとして、生後56日たっていない犬や猫は一部の犬を除いて販売や展示を禁止するとしています。

この法律の改正案は来週の衆議院本会議で可決され、参議院に送られる見通しです。

日本獣医師会「捨て犬や捨て猫が減る」

日本獣医師会によりますと、マイクロチップは円筒形で、直径およそ2ミリ、長さ12ミリほどで、注射器で犬や猫の肩のあたりに埋め込まれます。

特殊なガラスなど健康に影響が出ない材料でできていて、装着にかかる費用は1匹あたり3000円から1万円程度だということです。

マイクロチップにはその犬や猫にだけ与えられた15桁の数字が記録され、専用の機械を体にかざすと数字が表示されます。

この数字は日本獣医師会のデータベースに登録され、飼い主の住所や連絡先などをたどることができます。

日本獣医師会は、これによって捨て犬や捨て猫が減るほか、迷子になったときに見つかりやすくなるとしていて、マイクロチップから飼い主が確実にたどれるよう、引っ越したり犬や猫を別の人に譲渡したりした場合は、きちんと届け出てほしいと呼びかけています。

日本獣医師会によりますと、犬や猫へのマイクロチップの装着と登録は、平成7年の阪神・淡路大震災で多くの犬や猫が迷子になったのを教訓に平成10年1月から始まり、31日午後の時点で登録済みの犬と猫は全国でおよそ200万1000匹いるということです。

また、日本獣医師会以外にも2つの社団法人がマイクロチップの装着や登録を行っているということです。

ただ、これまでは任意のため装着や登録がされないまま飼育されている犬や猫は一定数いるものとみられます。

マイクロチップが日本に導入された当初から装着を行っている東京 世田谷区の「成城こばやし動物病院」の小林元郎院長は「マイクロチップによってその犬や猫だときちんと識別することができるので、飼育放棄の歯止めになる可能性があると思う。人と動物が共生していくためには必要で、装着の義務化によって社会的にメリットが出ると期待している」と話していました。