日ロ外相会談 方領土
めぐる主張は平行線

北方領土問題を含むロシアとの平和条約交渉をめぐり、河野外務大臣とラブロフ外相は日本時間の10日夜、モスクワで会談しました。今月末に東京で外務・防衛の閣僚協議を行うことなどで合意しましたが、北方領土の主権をめぐる双方の主張は平行線をたどっていて、交渉の行方は見通せていません。

交渉責任者として3回目となる河野外務大臣とラブロフ外相の会談は、日本時間の夕方から、予定の2時間半を大幅に超えて4時間あまりにわたって行われました。

会談で両外相は、今月30日に東京で日ロの外務・防衛の閣僚協議、2+2を開催し、それに合わせて、外相会談を行うことでも合意しました。また、来月下旬のG20大阪サミットに合わせて予定されている、日ロ首脳会談に向け、北方四島での共同経済活動の具体化を目指して、今月20日と翌21日にモスクワで作業部会を開くことで一致しました。

共同記者発表で、河野大臣は、「双方の立場の隔たりを克服できたわけではないが、信頼関係のもとで胸襟を開いた率直な議論ができている。共同経済活動については、プロジェクトの早期実施に向け双方が柔軟性を発揮して建設的に作業するよう事務方に指示することで一致した」と述べました。

また、両外相は、先月、プーチン大統領と北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長が会談したことや北朝鮮が短距離弾道ミサイルを発射したことを踏まえ、北朝鮮情勢についても意見を交わしました。

ラブロフ外相 依然意見の隔たり

ロシアのラブロフ外相は、会談のあとの記者発表で、「1956年の日ソ共同宣言に基づくということは、何をおいてもまず日本側が第2次世界大戦の結果を認めることだと、われわれは強調した」と述べ、北方領土の主権をめぐって日本側と依然、意見の隔たりがあったことを示しました。

そして、「もう一つの重要な側面は安全保障の問題に関係している」としたうえで、「日ソ共同宣言が署名されたあと、歴史的、地政学的な条件は劇的に変わった。われわれは日米安全保障条約を考慮に入れる必要があり、アメリカが日本の領土にも世界的なミサイル防衛システムを配備しようとしていることに注意を向けている。アメリカは今ある軍縮条約を破壊しつつあり、こうした行動はロシアにとって脅威だ」と述べて、日本とアメリカの同盟関係に懸念を示しました。

一方、日本とロシアの現在の関係については、「共同作業を活発化するための強固な基盤が確認できたことに満足している」と述べたうえで、去年の両国の貿易額がおととしと比べて17%多い210億ドル、日本円で2兆3000億円余りに増えたことや、国会議員や政党どうしの交流が活発に行われていることを評価しました。

会談のあと河野大臣は「立場が異なる部分については、明確に日本の主張を申し上げ、かなり厳しいやり取りになった。70年間未解決の問題であり、そう簡単に双方が受け入れられるようにはならないが、論点を整理しながら、一つずつ前へ進めていきたい」と述べました。