野外相は連休中
アフリカ各国を訪問

河野外相は3日からアフリカ3か国を歴訪しました。

アンゴラ アウグスト外相と会談

アンゴラは、石油やダイヤモンドなどの資源が豊富な国で、近年、中国が大規模なインフラ開発のための多額の貸し付けなどを通じて影響力を増しています。

河野外務大臣は日本時間の3日夜、最初の訪問国、アンゴラでアウグスト外相と会談し、「日本の外務大臣として17年ぶりの訪問であり、関係をさらに強化していきたい」と述べました。

これに対し、アウグスト外相は「日本と貿易や通商分野の協力を強化するよい機会だ」と応じました。

そして両外相はアンゴラ経済が、資源の開発への依存から脱却し、多角化を進めることが必要だとして、日本企業による投資を一層拡大するための投資協定の締結を急ぎ、経済的な結び付きを強めていくことで一致しました。

これに先立って河野大臣は、ロウレンソ大統領と会談し、大統領はことし8月に横浜市で開かれるTICAD=アフリカ開発会議への出席を約束するとともに、会議の成功に向けて協力していくことで一致しました。

南スーダン キール大統領と会談

河野外務大臣は、日本の外務大臣として初めて南スーダンを訪問し、日本時間の4日夜、国連のPKO=平和維持活動の司令部要員として派遣されている4人の陸上自衛官と面会し、激励しました。

政府と反政府勢力の間で武力衝突が繰り返された南スーダンでは、去年9月の和平合意に基づいて暫定政府の発足期限が今月中旬に迫っていましたが、3日、治安の面での懸念などを理由に半年間延長することが決まり、和平を軌道に乗せることができるかが課題となっています。

河野大臣は、キール大統領と会談し、両勢力が進める和平プロセスを、日本としても後押ししていく考えを示しました。

そのうえで、武力衝突で破壊された大学の校舎の修復や、職業訓練などの人材育成に3億円余り、隣国との国境のナイル川にかかる橋の拡張工事に、これまでの分と合わせて110億円の無償資金協力を行うことを伝えました。

共同記者会見で、河野大臣は「南スーダンの開発の進展と平和の定着のために、日本として独自の役割と責任を果たしていきたい」と述べました。

エチオピア アビー首相らと会談

河野外務大臣は、日本時間の5日午後、最後の訪問国エチオピアの首都アディスアベバで、アビー首相と会談しました。

この中で河野大臣は、アビー首相が、去年、就任してから20年間対立が続いてきた隣国エリトリアとの和平を実現したことを評価し、日本としても後押しする考えを伝えました。

また、河野大臣は、ことし8月に横浜で開かれるTICADについて、「アフリカの平和と安定は最大の課題の1つだ」と述べ協力を要請したのに対し、アビー首相は会議に出席する意向を示しました。

このあと河野大臣は、TICADの共催者で、アフリカの55の国と地域が加盟するAUの本部を訪れて、クオティ副委員長と会談し、会議の成功に向けて準備を急ぐことを確認しました。