朝鮮が“飛しょう体”
「米韓と連携し警戒」防衛相

北朝鮮による短距離の飛しょう体の発射を受けて、岩屋防衛大臣は、記者団に対し、「直ちに日本の安全保障に影響を与える事態は確認されていない」としたうえでアメリカや韓国と緊密に連携し、今後も、警戒監視を進めていく考えを示しました。

岩屋防衛大臣は、訪問先のベトナムで日本時間の4日午後2時半前、記者団に対し、北朝鮮による短距離の飛しょう体の発射について、「複数発射したものと承知している。現時点で、わが国の領域やEEZ=排他的経済水域内への弾道ミサイルの飛来は確認されていない。直ちにわが国の安全保障に影響を与えるような事態、また、航空機や船舶への被害報告は確認されていない」と述べました。

そのうえで、「北朝鮮問題への対処には、日韓、日米、日米韓の緊密な連携が極めて重要であり、情報収集や分析、警戒監視に努めていきたい」と述べ、北朝鮮の軍事動向について、アメリカや韓国と連携し、今後も、警戒監視を進めていく考えを示しました。

これに先だって、岩屋大臣は、ベトナムのフック首相と会談し、北朝鮮の完全な非核化に向けて、国連安全保障理事会の決議の厳格な履行の重要性を確認し、今後も連携していくことで一致しました。

防衛省幹部「対米けん制ねらいか」

北朝鮮が4日、日本海に向け飛しょう体、数発を発射したことについて防衛省幹部は、NHKの取材に対し「日本に直接影響があるものではないと考えている。北朝鮮は、米朝協議が停滞する中で、アメリカへの一種のけん制として今回の発射を行ったのではないか」と話しています。

また、別の幹部は「日本やアメリカに直接影響する中長距離の弾道ミサイルではないことを考えると、北朝鮮は米朝協議の決裂を望んでいるわけではないと見られる。こう着状況を打開したいという意図だろうが、今後も北朝鮮の動向を注視したい」と話しています。

日米外相 日米韓で緊密連携を確認

アフリカを歴訪中の河野外務大臣は、今回の発射を受けて、アメリカのポンペイオ国務長官、韓国のカン・ギョンファ外相と相次いで電話会談を行いました。会談では、発射に関する情報を共有するとともに、引き続き日米韓3か国で緊密に連携していくことを確認しました。

また、外務省の金杉アジア大洋州局長もアメリカ国務省で北朝鮮問題を担当するビーガン特別代表、韓国外務省のイ・ドフン朝鮮半島平和交渉本部長と、それぞれ電話で協議し、北朝鮮の動向や今後の対応などについて意見を交わしました。

河野外相「ボールは北朝鮮側にある」

河野外務大臣は訪問先のエチオピアで日本時間の5日夜遅く、NHKの取材に対し、北朝鮮による飛しょう体の発射について、「今、日本、アメリカ、韓国の3か国で、飛しょう体についての情報収集・分析をしているところであり、実際に、何がどういうふうに行われたかを、まずはしっかり確認したい」と述べました。

そのうえで、「今のところ、ボールは北朝鮮側にあるという状況に変わりはない。日米韓3か国の連携をしっかりと維持しながら、この問題にあたっていきたい」と述べ、引き続き、北朝鮮に非核化に向けた具体的な行動を求めていく考えを示しました。

一方、河野大臣は、安倍総理大臣が、産経新聞のインタビューで、条件を付けずにキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長と会って率直に話し合ってみたいという考えを示したことについて、「日朝首脳会談への入り口として拉致問題を取り上げるわけではないということだが、出口として、核・ミサイル・拉致問題を包括的に解決するという姿勢に何ら変わりはない」と述べました。

麻生副総理「わが国の安全保障に影響ない」

北朝鮮が飛しょう体、数発を発射したことについて麻生副総理兼財務大臣は、訪問先のフィジーで記者団の質問に答えました。

このなかで麻生副総理は「日本の領域や排他的経済水域内への弾道ミサイル、その他の飛しょうは、確認されている訳ではなく、わが国の安全保障に直ちに影響を与えるような事態は確認されていない。航空機や船舶への被害も報告されてないと理解している。政府の中において、総理大臣官邸の北朝鮮情勢に関する対策室で省庁間で情報を集約しているところで、詳細は分析中だ」と述べました。

被団協「不信感強める」

北朝鮮が短距離の「飛しょう体」数発を発射したと、韓国軍が発表したことについて、NPT=核拡散防止条約の会合に合わせてニューヨークを訪れている、日本被団協=日本原水爆被害者団体協議会の木戸季市事務局長は、NHKの取材に対して、「緊張を高める行為に憂慮している。『核戦争を起こさせないために、核兵器がないことが唯一の保障だ』という方向の合意をどう作り上げていくのか、国と国とが信頼を作り出すことに努力するべき時に、不信感を強める行為はやめてほしい」と話していました。