位後朝見の儀
天皇陛下おことば全文

新たに即位した天皇陛下は午前11時12分ごろから皇居 宮殿で皇后となられた雅子さまとともに即位後初めて国民を代表する人々と会う「即位後朝見の儀(そくいごちょうけんのぎ)」に臨まれました。この中で天皇陛下は「常に国民を思い、国民に寄り添いながら、憲法にのっとり、日本国及び日本国民統合の象徴としての責務を果たす」と天皇として初めてとなるおことばを述べられました。

「即位後朝見の儀」は皇居 宮殿の「松の間」で即位に伴う国事行為として行われました。

天皇陛下は「剣璽等承継(けんじとう しょうけい)の儀」のおよそ30分後の午前11時12分ごろ皇后さまとともに「松の間」に入られ、儀式が始まりました。皇后さまは皇后として臨まれる初めての儀式です。

皇位継承順位1位の「皇嗣」となった秋篠宮さまと、紀子さまなどの皇族方が続いて入られました。

天皇陛下や男性皇族はえんび服で、皇后さまなど女性皇族はローブデコルテという格式の高いロングドレス姿で、ティアラをつけられていました。全員が勲章をつけて儀式に臨まれました。

天皇陛下は三権の長や閣僚、地方自治体の代表など参列した290人余りを前に、天皇として初めてとなるおことばを述べられました。

全文

「日本国憲法及び皇室典範特例法の定めるところにより、ここに皇位を継承しました。

この身に負った重責を思うと粛然たる思いがします。

顧みれば、上皇陛下には御即位より、三十年以上の長きにわたり、世界の平和と国民の幸せを願われ、いかなる時も国民と苦楽を共にされながら、その強い御心を御自身のお姿でお示しになりつつ、一つ一つのお務めに真摯に取り組んでこられました。上皇陛下がお示しになった象徴としてのお姿に心からの敬意と感謝を申し上げます。

ここに、皇位を継承するに当たり、上皇陛下のこれまでの歩みに深く思いを致し、また、歴代の天皇のなさりようを心にとどめ、自己の研鑽に励むとともに、常に国民を思い、国民に寄り添いながら、憲法にのっとり、日本国及び日本国民統合の象徴としての責務を果たすことを誓い、国民の幸せと国の一層の発展、そして世界の平和を切に希望します」

首相あいさつ

続いて安倍総理大臣が天皇陛下の前に進み出てあいさつしました。

「謹んで申し上げます。天皇陛下におかれましては、本日、皇位を継承されました。国民を挙げて心からお慶び申し上げます。

ここに、英邁なる天皇陛下から、上皇陛下のこれまでの歩みに深く思いを致し、日本国憲法にのっとり、日本国及び日本国民統合の象徴としての責務を果たされるとともに、国民の幸せと国の一層の発展、世界の平和を切に希望するとのおことばを賜りました。

私たちは、天皇陛下を国及び国民統合の象徴と仰ぎ、激動する国際情勢の中で、平和で、希望に満ちあふれ、誇りある日本の輝かしい未来、人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ時代を、創り上げていく決意であります。

ここに、令和の御代(みよ)の平安と、皇室の弥栄(いやさか)をお祈り申し上げます」

天皇陛下は皇后さまとともに退出され、儀式は7分ほどで終わりました。