ウジ経済改革
引き続き協力」河野外相

サウジアラビアを訪れている河野外務大臣は、日本時間の28日夕方、サルマン国王を表敬訪問し、石油依存からの脱却を目指すサウジアラビアの経済改革に引き続き協力していく考えを伝えました。

河野外務大臣は、おととし8月の就任以来、精力的に外国訪問を続けていて、今回のサウジアラビアが延べ100か国目の訪問となります。

日本時間の28日夕方、河野大臣はサルマン国王を表敬訪問し、日本にとって最大の原油供給国となっていることに謝意を伝えました。

そのうえで、サウジアラビアが石油依存からの脱却を目指し産業の多角化を進めていることを踏まえ、「揺るぎない戦略的パートナーシップのもと、サウジアラビアの経済改革の成功のため、今後も官民を挙げて協力を推進していく」と述べました。

これに対し、サルマン国王は「日本は長年の友好国であり、あらゆる分野で両国関係が発展していくことを期待する」と述べ、日本企業がサウジアラビアにさらに進出し、関係が深まっていくことに期待感を示しました。

そして、ことし6月のG20大阪サミットに加え、来年のG20サミットではサウジアラビアが議長国を務めることを踏まえ、来年のリヤド・サミットの成功に向け、全面的に協力していくことを確認しました。

サウジアラビア 日本との連携に期待

河野外務大臣と会談したサウジアラビアのジュベイル外務担当相は28日、記者団の取材に応じ、「日本は、サウジアラビアが経済改革を進めるにあたって重要なパートナーだ。特に再生可能エネルギーやロボット、人工知能の分野で連携したい」と述べて、日本企業の新たな進出や投資に期待を示しました。

そのうえで、ジュベイル外務担当相は「サウジアラビアは疑うことなく投資先として魅力的な国だ。先日開かれた金融フォーラムでは、記録的な参加者の数となり、金融業界は特に熱を上げている。経済の多角化を通じてテクノロジーとイノベーションに基づいた経済へと変わるだろう」と述べました。

ムハンマド皇太子と会談

河野外務大臣は、日本時間の29日未明、ムハンマド皇太子と会談しました。

この中で、河野大臣は、石油依存からの脱却を目指すなどとしたサウジアラビアの経済改革を後押ししていく考えを伝えました。

そして、ことし6月に東京で開催する経済分野の閣僚級会合などを通じて、サウジアラビアでの海水の淡水化事業への協力や企業の商談への支援など、幅広い事業で連携を強化していくことを確認しました。

これに先立ち、河野大臣はアッサーフ外相と会談し、先に開かれたWTO=世界貿易機関の会合で、韓国政府による福島県などの水産物の輸入規制に関連し、サウジアラビアの出席者が「日本産食品は安全だ」と発言したことに謝意を伝えました。

また、トルコにあるサウジアラビア総領事館で去年、ジャーナリストが殺害された事件について、河野大臣は「サウジアラビアの司法当局による事実究明や再発防止などの取り組みを信頼をしている」と伝えました。

会談のあと、河野大臣は「中東は日本のエネルギーの安定供給の要であり、中東の平和と安定が世界経済の着実な発展につながる。日本は中東において特別なポジションを占めていると思っており、それをしっかりと活用して中東の平和と安定に寄与していきたい」と述べました。