安婦問題で日韓が応酬
国連安保理

国連の安全保障理事会で開かれた会合で、韓国の代表が慰安婦問題を取り上げ、これに日本側が反論しました。最近、韓国が国連の場で自国の主張を展開する場面が目立っています。

国連安保理では23日、紛争下の性暴力について話し合う公開討論が行われ、各国が順番に発言しました。

この中で、韓国のイ・テホ(李泰鎬)外務次官は、「第二次世界大戦中の慰安婦の名誉と尊厳の回復に今も努めている」と切り出したうえで、「その多くが一生に及ぶ苦痛を癒やされないままこの世を去ろうとしており、彼女たちの痛ましい経験から教訓をくみ取ることが欠かせない」と述べて、慰安婦の苦しみは今も続いており、日本側の対応は不十分だという認識を示しました。

これに対して、日本の別所浩郎国連大使は「日本政府は長きにわたりこの問題に真摯(しんし)にとりくんできた。2015年12月には両国の外交努力の結果、最終的、かつ不可逆的に解決したことを確認する合意に達している」と述べて、慰安婦問題は解決済みだと反論しました。

日韓合意では、国連などで慰安婦問題を持ち出して互いに非難するのを控えるとしていますが、韓国は、ことし2月、ジュネーブの人権理事会でもこの問題を提起しており、最近になって、韓国が国連の会議などで自国の主張を展開する場面が目立っています。

韓国 国際会議開催へ 紛争下の性暴力撤廃で

韓国外務省は24日、ことし7月にソウルで紛争下の女性への性暴力撤廃について話し合う国際会議を開くことを発表し、会議で再び慰安婦問題を取り上げる可能性があります。

韓国外務省は24日、国連の安全保障理事会の会合で慰安婦問題を取り上げたことを発表しました。この中でことし7月2日から3日にかけてソウルで国際会議を開き、紛争下の女性に対する性暴力撤廃などについて各国の代表と話し合うことを明らかにし、韓国政府としてこの問題に貢献できるよう努力していくとしています。

韓国のカン・ギョンファ(康京和)外相はことし1月、「慰安婦の歴史的経験が消えないよう紛争時の性暴力をめぐる国際社会の対話に積極的に寄与する」として、国際会議を主催する考えを示していて、ことし7月の会議で再び慰安婦問題を取り上げる可能性があります。