TOは全く紛争解決に
資することなかった」外相

WTO=世界貿易機関の上級委員会で、韓国政府による水産物の輸入禁止をめぐる日本側の主張が退けられたことについて、河野外務大臣は、WTOは紛争解決に役割を果たしていないと批判し、今週開かれるWTOの会合で改革を求める考えを示しました。

原発事故による汚染水問題を理由に、韓国政府が福島など8つの県の水産物の輸入を禁止していることについて、WTO=世界貿易機関の上級委員会は、今月11日、韓国側に是正を求めた第1審にあたる小委員会の判断を取り消すとした報告書を公表し、日本側の主張は退けられました。

これについて、河野外務大臣は、衆議院の特別委員会で、「上級委員会は、韓国の措置がWTO協定に整合的かどうか明示的に判断しなかった。貿易上の紛争を解決する制度であるにもかかわらず、主要な争点について判断をしておらず、全く紛争解決に資することがなかった」と批判しました。

そのうえで、河野大臣は「WTOの理念に全くかなっておらず、極めて残念と言わざるをえない。こうした部分の改革について日本側として主張していきたい」と述べ、今月26日にスイス・ジュネーブで行われる、WTOの会合で、日本として改革を求めていく考えを示しました。