海道知事選
元夕張市長の鈴木氏 初当選

与野党が全面対決する構図となった北海道知事選挙は、与党側が推薦した元夕張市長の鈴木直道氏が初めての当選を果たしました。

北海道知事選挙の結果です。

▽鈴木直道(無所属・新)当選 162万1171票
▽石川知裕(無所属・新)96万3942票

自民党、公明党、地域政党の新党大地が推薦した元夕張市長の鈴木直道氏が、立憲民主党、国民民主党、共産党、自由党、社民党が推薦した元衆議院議員の石川氏を抑え、初めての当選を果たしました。

鈴木氏は埼玉県出身の38歳。東京都庁に入り、財政破綻した夕張市に応援職員として派遣されたあと、平成23年の夕張市長選挙に当選し、市長を2期務めました。

選挙戦で鈴木氏は「ピンチをチャンスに」をキャッチフレーズにして、夕張市長として財政再建に道筋をつけたとする実績を強調するとともに、道外から投資を呼び込んで地域を活性化させると訴えました。

そして推薦を受けた自民・公明両党の支持層を固めたほか、支持政党を持たない無党派層にも支持を広げ、初めての当選を果たしました。

今回の北海道知事選挙の投票率は58.34%と過去最低となりました。

鈴木氏「人口減少問題に総力あげて取り組む」

鈴木氏はNHKのインタビューに対し、「北海道には多くの課題やピンチがあるが、それを活力に変えてチャンスにできると訴えてきた。夕張市は全国唯一の財政再生団体で、人口減少、少子高齢化、財政難の中、地域の再生と財政の再建を両立させてきた。その経験は知事になっても生かせると考えている。人口減少問題に対し、国、北海道、市町村が総力をあげて取り組んでいかなければならないと」と述べました。
自民 北海道連会長 吉川農相「新しいページ開いてくれる」
自民党の北海道連の会長を務める吉川農林水産大臣は「北海道179市町村の皆さんから支援をいただき、お礼を言いたい。鈴木新知事が北海道の新しい1ページを開いてくれると思う。これからもみんなで支えていこう」と述べました。

自民 甘利選対委員長「陣営が結束できた」

自民党の甘利選挙対策委員長は北海道知事選挙について党本部で記者団に対し、「候補者がよかったことと、そのよい候補者のもと、陣営が一糸乱れぬ結束ができた。そのことが勝利につながった」と述べました。

公明 山口代表「大差つけて鈴木候補当選は極めて有意義」

公明党の山口代表は記者会見で、「野党側は結束をアピールしていたが、大差をつけて与党側の鈴木候補が当選できたことは極めて有意義な結果だった。道民の期待を実現できるよう、バックアップをしながら、鈴木道政の新しい出発を推し進めていきたい」と述べました。

立民 長妻選対委員長「一歩及ばず惜敗の結果」

北海道知事選挙で石川氏を推薦した立憲民主党の長妻・選挙対策委員長は「残念ながら、一歩及ばず、惜敗の結果となった。今回の北海道知事選挙を糧として、地域の多様な声とつながり、現場の切実な声に根ざしたボトムアップの政治で、新たな未来をつくる取り組みを進めていく」という談話を発表しました。

国民 岸本選対委員長「野党連携 有機的に結び付く必要があった」

石川氏を推薦した国民民主党の岸本選挙対策委員長は記者団に対し、「推薦候補が勝てなかったことは、重く受け止め、敗因をよく分析して、後半戦の統一地方選挙や参議院選挙に向けて、気を引き締めて、戦略を考えたい。野党の連携がもう少し、有機的に結び付く必要があった。次は野党共闘で勝てる態勢をどう作っていくかだ」と述べました。

共産 小池書記局長「野党共闘 非常によかっただけに残念」

北海道知事選挙で石川候補を推薦した共産党の小池書記局長は記者団に対し、「野党の共闘自体は各党がリスペクトしあい、非常によかっただけに、結果が残念だ。候補者の発表が出遅れた面があるのではないか。これを教訓として、参議院選挙の1人区の候補者の擁立を急いでやらなければいけない」と述べました。

自由 小沢代表「十分な問題提起できた」

北海道知事選挙で石川候補を推薦した自由党の小沢代表は「結果としては、大変厳しいものとなり、誠に残念ではあるが、北海道の未来がどうあるべきかについて、大胆かつ広範な政策提言を行って、結果として、北海道の皆様方に十分な問題提起をできたものと評価しており、今後の活躍に期待したい」という談話を発表しました。

社民 吉川幹事長「猛追したが 結果生まなかった」

北海道知事選挙で石川候補を推薦した社民党の吉川幹事長は大分市で記者団に対し、「野党が共同で街頭演説を行うなどして猛追したが、残念ながら、結果を生まなかった。石川氏の『カジノ反対』や『脱原発』などの訴えは多くの道民に届いたと確信しており、生かすべき教訓を総括し、次の戦いに向けていきたい」と述べました。

一夜明けて…

一夜明けた8日、鈴木氏は札幌市中央区にある事務所を訪れ、神棚に手を合わせたあと、当選を報じる新聞に目を通しました。

このあと、記者団に対し、7日夜から8日にかけてテレビ番組への出演などで1時間しか寝られなかったことを明かしたうえで「当選を報じる新聞をみて実感が湧いてきました。『しっかりやるぞ』という燃え上がる思いも出てきて疲れは吹っ飛びました」と語りました。

そして、鈴木氏は「これからやるべき事、やらなければならない事がたくさんあります。就任後にスタートダッシュできるよう政策づくりや体制構築の準備を進めたい」と述べました。