党側が議論の環境壊し
ている」懇談会見送りに

衆議院憲法審査会の開催に向け、審査会の森英介会長は日程を協議する懇談会の開催を呼びかけましたが、立憲民主党や国民民主党などは与野党の合意がないとして応じず、開催は見送られました。

憲法改正をめぐって自民・公明両党は、継続審議となっている国民投票法改正案の成立を目指していますが、野党側と調整がついておらず、審査会開催のめどは立っていません。

衆議院憲法審査会長の自民党の森英介氏は来週にも審査会を開催したいとして、与野党の幹事らに懇談会での日程協議を呼びかけました。

自民・公明両党と日本維新の会、希望の党、衆議院の会派「未来日本」は呼びかけに応じましたが、立憲民主党や国民民主党などは与野党の合意がないとして応じず、懇談会の開催は見送られました。

公明 北側氏「すぐ改憲に走るわけではない」

公明党の北側憲法調査会長は記者会見で「まず、継続審査になっている国民投票法の改正案の審議をしたい。憲法の問題は与野党でしっかり議論していくことが大事で、与党だけでやってもあまり意味がない。すぐさま憲法改正に走って行くわけではないので野党もかたくなにならず意見を披露してほしい」と述べました。

立民 山花氏「いささか強引 しばらく難しい」

衆議院憲法審査会の野党側の筆頭幹事を務める立憲民主党の山花憲法調査会長は記者団に「幹事懇談会の呼びかけがあったが合意のない状態では出席できない。野党側の認識はいささか強引ではないかということで一致しており、しばらく協議は難しいと思う。与党側が議論の環境を壊している状況で強く抗議したい」と述べました。

共産 志位氏「憲法審査会は動かさない」

共産党の志位委員長は記者会見で「安倍総理大臣が国会で改憲を呼びかけたり、自衛官に改憲の決意を語ったりするのは憲法尊重擁護義務を定めた憲法99条違反だ。憲法をないがしろにする総理大臣には、憲法を変える資格も、語る資格もない。『憲法審査会は動かさない』ということで、野党が結束することが大事だ」と述べました。

希望 松沢氏「開かせないのは任務放棄」

希望の党の松沢代表は記者会見で「反対の場合は審議の中で、なぜ反対なのかをしっかりと主張し、国民に理解を求めていくのが国会議員のあるべき姿で、憲法審査会を開かせないというのは全くもっておかしい。国会議員としての任務放棄と言わざるを得ない」と述べました。

社民 吉川氏「与野党の合意を最優先すべき」

社民党の吉川幹事長は記者会見で「強行的な運営が行われることに抗議していかなければならない。議論の前提すら崩れてしまうので与野党の合意を最優先すべきだ」と述べました。

野田前首相「首相が議論の環境を壊している」

衆議院の会派「社会保障を立て直す国民会議」の代表を務める野田前総理大臣は記者会見で「環境整備が十分できていない。安倍総理大臣の憲法9条と自衛隊の募集活動を結びつけるような、うかつな発言や丁寧さに欠ける部分が、きちんとした議論をする環境を壊しているのではないか」と述べました。