軍縮交渉を義務づけた
NPT体制の維持が重要」

核軍縮に向けた方策を各国の専門家が議論する「賢人会議」が京都で開かれ、来月開かれるNPT=核拡散防止条約の再検討会議の準備会合に向けて、核軍縮交渉を各国に義務づけたNPT体制の維持が重要だとする提言案を取りまとめました。

「賢人会議」は核保有国と非保有国の対立を乗り越え、核軍縮に向けた方策を探ろうと、外務省がおととしから開いているもので、今回は23日までの2日間京都で開かれ、日本やアメリカ、ロシアなどの専門家13人が出席しました。

会議終了後、座長を務める白石隆 熊本県立大学理事長が記者会見して、来月、ニューヨークで開かれるNPTの再検討会議の準備会合に向けて、提言案を取りまとめたことを明らかにしました。

提言案では、INF=中距離核ミサイルの全廃条約をめぐって、アメリカとロシアの対立が深まるなど、核軍縮をめぐる状況は悪化していると懸念したうえで、核軍縮交渉を各国に義務づけたNPT体制を維持していくことが重要だとしています。

また、インドやパキスタンなどのNPTの締結国でない核保有国との対話の場を設けることを求めています。

賢人会議では、この提言案を近く、外務省に提出することにしています。