津波映像 「小中学生に
見せたほうがいい」7割

東日本大震災からまもなく8年となるのを前にNHKが岩手・宮城・福島の被災者にアンケートを行ったところ、7割余りの人が、小学校や中学校の防災教育で当時の津波の写真や映像を見せたほうがいいと回答しました。震災の発生後しばらくは、被害を思い起こす映像を見せない配慮が広がりましたが、今の小学生の中には震災後に生まれた児童もいて、防災教育への意識の変化がうかがえます。

NHKは、去年12月からことし1月にかけて、岩手・宮城・福島の被災者や原発事故の避難者など、合わせて4400人余りにアンケートを行い、全体の36%に当たる1608人から回答を得ました。

この中で、小学校や中学校の防災教育で当時の津波の写真や映像を見せることについて尋ねたところ、「したほうがいい」が35.8%、「どちらかと言えばしたほうがいい」が36.5%で合わせて72.3%に上りました。

一方、「しないほうがいい」が4.3%、「どちらかと言えばしないほうがいい」が11.3%で、合わせて15.6%でした。

また、子どもたちを「震災遺構」に連れて行くことについては、「したほうがいい」が26.1%、「どちらかと言えばしたほうがいい」が40.3%で、合わせて66.4%でした。

こうした取り組みをしたほうがいいと考える理由を複数回答で尋ねたところ、「震災の恐ろしさを十分伝えるために必要だ」が86.2%、「被災した経験や記憶がない子どもが増えてきたから」が60.2%、「被災の記憶が風化してきているから」が52.2%などとなっています。

震災の発生後しばらくは、被害を思い起こす映像を見せない配慮が広がりましたが、今の小学生の中には震災後に生まれた児童もいて、防災教育への意識の変化がうかがえます。

自由記述の中で、岩手県釜石市の58歳の女性は「未来のある子どもたちは国の宝です。小中学校での防災教育は、全国で行ってほしいです」とつづっています。

宮城県石巻市の51歳の男性は、「災害が次々と起きる中でいつでも誰でも被災者になりえます。次の世代には現実から目を背けず、しっかりたくましく生き抜いてほしいと思います」と回答しています。