「米韓合同の事演習を
実施しない」電話会談で

アメリカ国防総省は、毎年春に行われてきた韓国との大規模な合同軍事演習を実施しないと発表しました。先月末に行われた米朝首脳会談が事実上の物別れに終わる中、アメリカとして北朝鮮の非核化に向けた話し合いを続ける姿勢を示した形です。

アメリカ国防総省は2日、シャナハン国防長官代行と韓国のチョン・ギョンドゥ(鄭景斗)国防相が電話会談を行い、毎年春に行われてきた米韓合同の軍事演習を実施しないことを決めたと発表しました。

国防総省によりますと、海兵隊による上陸訓練などからなる「フォール・イーグル」と、コンピューターを使って指揮系統などの連携を確認する「キー・リゾルブ」のいずれも中止し、規模を抑えた部隊レベルの合同訓練などを代わりに実施するということです。

先月末にベトナムで行われた2回目の米朝首脳会談が事実上の物別れに終わる中、アメリカとしては北朝鮮が強く反発してきた春の合同演習を中止することで、北朝鮮の非核化に向けた話し合いを続けていく姿勢を示した形です。

ただ、アメリカ国内からは、去年8月と12月の大規模演習に続いて春の演習も中止されることで、部隊の即応能力の低下につながるとの懸念も出ています。

合同軍事演習の代わりに連携など確認

アメリカ軍と韓国軍は中止を決めた大規模な合同軍事演習の代わりに、今月4日から12日まで、指揮系統の連携などを確認する演習を行うと発表しました。

発表では演習の規模や詳しい内容は明らかにされていませんが、例年、2月から4月にかけて行われていた2つの大規模合同演習の内容を調整して行うものだとしています。

演習は「同盟」と名付けられていて、韓国に駐留するアメリカ軍のエイブラムス司令官と韓国合同参謀本部のパク・ハンギ議長は、連名でコメントを出し、「演習の実施は戦闘準備態勢を維持するのに極めて重要であるとともに、同盟を維持し、強化するのにも不可欠である」と強調しています。