田五輪相が遅刻「日程に
影響」「大臣の任にあらず」

衆議院予算委員会は21日、一般質疑が行われ、桜田オリンピック・パラリンピック担当大臣が、出席を求められていた時間に遅れたことに野党側が反発し、5時間余りにわたって質疑が中断しました。桜田大臣は、陳謝したうえで引き続き職務を全うしていく考えを示しました。

衆議院予算委員会は21日、一般質疑が行われ、立憲民主党の会派に所属する小川淳也氏が「毎月勤労統計調査」の調査方法をめぐる検討会の報告書案について質問しました。

厚生労働省が答弁に時間が必要だとしたことから小川氏の質問はあとに回すことになり、次の質疑者に移りました。

しかし、出席を求められていた桜田オリンピック・パラリンピック担当大臣が予定の時間に数分程度、遅れたため、野党側が反発し、委員会は午前10時すぎから5時間余りにわたって中断しました。

このあと委員会は午後3時半すぎから質疑が再開され、菅官房長官が陳謝したのに続き、桜田大臣は「大変、皆様にご迷惑をおかけいたしました。予定の時間に遅刻したことを心から深くおわび申し上げます」と述べました。

そのうえで、桜田大臣は「国会を軽視して職務を全うできるのか」などとただされたのに対し、「職務をしっかり全うしたい」と述べました。

21日の委員会の質疑は、中断によって予定されていた日程をすべて行うことができず、残った質疑は後日、改めて行われることになりました。

28日に集中審議で大筋合意

衆議院予算委員会では、桜田オリンピック・パラリンピック担当大臣が出席予定時間に遅れ、委員会が中断したことを受けて、理事会で審議日程を協議しました。

その結果、21日に行えなかった一部の質疑は、日を改めて行うほか、来週28日に安倍総理大臣らの出席を求め、集中審議を行うことで、与野党が大筋で合意しました。

自民 森山氏「国会日程にも影響」

自民党の森山国会対策委員長は、記者団に対し、「大臣が、所定の時間に着席できていなかったことは極めて遺憾で、大変ご迷惑をおかけした」と述べました。そのうえで、「国会日程にも一定の影響を及ぼすことになった。来週、集中審議を2回行わなければならず、日程はタイトすぎる」と述べ、これまで目指してきた新年度予算案の今月中の衆議院通過は、困難だという認識を示しました。

官房長官「あってはならない」

菅官房長官は午前の記者会見で「遅刻の理由は承知していないが、事務的なミスではないかと思っている。いずれにしろ、委員会に遅れるということはあってはならないことだと思う」と述べました。

自民 田中氏「誠に遺憾」

衆議院予算委員会で与党側の筆頭理事を務める自民党の田中和徳氏は記者団に対し、「桜田大臣に『委員会が中断している』という誤った情報が伝わったことが遅刻の原因だと思われるが、誠に遺憾と言わざるをえない。野党側に出席してもらえるよう引き続き呼びかけたい」と述べました。

立憲 逢坂氏「大臣の任にあらず」

衆議院予算委員会で野党側の筆頭理事を務める立憲民主党の逢坂政務調査会長は記者団に対し、「桜田大臣が何の理由の説明もなく、3分間遅れたことに対して、『これ以上、審議ができない状況ではないか』と言わせてもらいたい。今の政府・与党はたるみきっていると思わざるを得ず、桜田大臣は大臣の任にあらずだ」と述べました。そのうえで、逢坂氏は「与党から、なぜ遅れたのかの説明もないままに時間が経過していて本当に信じられない対応だ」と述べました。

公明 北側氏「もっと緊張感を」

公明党の北側副代表は、記者会見で「質問通告を受けている大臣は当然いなければいけない。閣僚にはもっと緊張感を持って対応してもらいたい」と述べました。