理秘書官が公表前に
問題意識伝えた」官房長官

厚生労働省の統計不正問題をめぐって、衆議院予算委員会で、「毎月勤労統計調査」で平成27年に調査対象が入れ替えられたことで、賃金の数値が大幅に変わったことをめぐり、菅官房長官は、当時の中江総理大臣秘書官が、結果の公表前に、厚生労働省に問題意識を伝えていたことを明らかにしました。

不正が問題になっている「毎月勤労統計調査」をめぐって、厚生労働省は、平成27年1月に調査対象をすべて入れ替え、その結果は、その年の4月上旬に公表されましたが、賃金の数値が大幅に変わったうえ、この調査とは別に調査対象を入れ替えずに行った数値より低くなりました。

これについて、菅官房長官は、衆議院予算委員会で、公表前の3月末ごろ、当時の中江総理大臣秘書官が、厚生労働省の担当者から説明を受けたとしたうえで、「3年に1度のサンプルの入れ替えに伴って、過去にさかのぼって数値が大幅に変わることについて、厚生労働省から総理大臣官邸に情報提供があり、説明を求めることになったようだ」と述べました。

立憲民主党の会派に所属する大串博志氏は、「当時の総理大臣秘書官は、本当は、実質賃金はもっと高いはずだろうと思い、もっと高く出るような方向への改善のために、専門家の意見を聞いたほうがいいという問題意識だったのではないのか」とただしました。

これに対し、菅官房長官は、「サンプルの入れ替えで、過去にさかのぼって数値が大幅に変わってしまう理由について、専門家の意見を聞くなど、実態を適切に表すための改善の可能性について問題意識を伝えた」と述べ、中江氏が結果の公表前に、厚生労働省に問題意識を伝えていたことを明らかにしました。