質賃金の指数を出す
ことが適当か」公表に消極的

厚生労働省の統計不正問題に関連し、根本厚生労働大臣は衆議院予算委員会で、8日に発表された去年の「毎月勤労統計調査」の速報値で、野党側が求めている方法による実質賃金の伸び率が公表されていないことについて、指標としての蓄積がないなど課題があるとして、公表に消極的な考えを重ねて示しました。

国会では8日から衆議院予算委員会で、新年度予算案の実質的な審議が始まりました。

この中で、自民党の後藤茂之氏は厚生労働省の統計不正問題について、「きょう、平成30年の厚生労働省の『毎月勤労統計調査』の速報値が発表されたが、調査対象を前の年と同じにして計算する、共通事業所の実質賃金の伸び率が公表されていないのはなぜなのか」と質問しました。

これに対し、根本厚生労働大臣は「経年変化を見るという指数化になじむかという課題があるし、共通事業所の集計については、観測を開始したばかりで、蓄積がない指標であるという課題もある。統計的な観点から専門家の知見をいただきながら、このような実質賃金の指数を統計として出すことが適当かどうか、よく検討していきたい」と述べ、公表に消極的な考えを重ねて示しました。

また、根本厚生労働大臣は厚生労働省の組織の在り方について、「厚生労働省全体として、統計に対する意識改革とともに組織のガバナンスが問われている。厚生労働省全体が国民の目線を忘れずに寄り添った行政ができる体制を構築していかなければならない。私が先頭に立って、厚生労働行政の重みに対応した組織のガバナンスを確立することに全力を尽くし、国民の信頼回復に努める」と述べました。