を返せ」例年の
スローガンを使わず集会

「北方領土の日」の7日、北海道根室市で開かれた島の返還を訴える集会は、領土交渉に配慮して例年のスローガンを使わない異例の集会となりました。

根室市で開かれた集会には、元島民や、その子どもや孫など800人が参加しました。

集会では、歯舞群島出身の柏原榮さん(87)は「これ以上、解決に時間を費やすことは許されない。政府には一人でも多くの元島民が生きている間に平和条約につながる力強い外交交渉を強める」と述べました。

ことしの集会は領土交渉に配慮した形で開かれ、例年使われていた「島を返せ」といったスローガンが書かれたたすきは使用されず、「北方領土を返せ」と訴えてきたシュプレヒコールも今回は「領土問題を解決しよう」などこれまでとは異なる表現となりました。

千島歯舞諸島居住者連盟の宮谷内亮一根室支部長(76)は「主催者側としては、状況が動いている中で刺激をしたくないという思いがある。一方、主張すべきものは主張する必要があるという人の考えも理解できる」などと複雑な思いを話していました。

国後島出身の古林貞夫さん(80)は「非常に厳しい交渉になると思いますが、一日も早く前進して、希望が持てるような交渉をしてもらいたい」と話していました。