金構造基本統計調査は
総務省に調査させる」首相

安倍総理大臣は、参議院予算委員会で、厚生労働省の統計不正問題に関連し、労働者の賃金の実態を調べる「賃金構造基本統計調査」については、今後、総務省の行政評価局で、不適切な取り扱いが行われてきた経緯や原因の調査を進める考えを示しました。

この中で立憲民主党の石橋通宏氏は、厚生労働省の統計不正問題について「統計法に基づく厳正な処罰も含めて、再発防止のために総理大臣として具体的にどのような考えで指示を出しているのか」と質問しました。

これに対し安倍総理大臣は「『毎月勤労統計調査』の事案については、厚生労働省の特別監察委員会でさらにより独立性を強めた形で検証作業を進め、その結果も踏まえて今後しっかりと適切に対処していく」と述べました。

そのうえで安倍総理大臣は「新たに問題が指摘された『賃金構造基本統計調査』については、統計値の問題というよりは、むしろ行政のやり方に大きな問題があったことから、総務省行政評価局に調査を担当させることとし、不適切な取り扱いが行われてきた経緯や原因などをよく調べさせたうえで、再発防止に万全を期していきたい」と述べました。

また根本厚生労働大臣は、特別監察委員会が先月22日に公表した調査結果について、東京都などへの十分なヒアリングが行われておらず撤回すべきだと問われたのに対し「当時の担当者や現在の部長、課長級らにヒアリングしたうえで、事実と思われる供述を客観的に書いており、これはこれで明らかにされている」と述べ、撤回しない考えを示しました。

立民 辻元氏 「組織ぐるみ濃厚に」

立憲民主党の辻元国会対策委員長は、会派の会合で、「厚生労働省が、お手盛りの調査で、『名ばかり第三者委員会』を作り、幕引きをしようとした事実が次々と明るみになってきており『組織ぐるみだったのではないか』という疑いが、さらに濃厚になってきた。徹底的にうみを出し切ることが大事だ」と述べました。

国民 玉木氏「首相は重い統計と理解せず」

国民民主党の玉木代表は、記者会見で「『毎月勤労統計調査』は基幹統計であり、不正な調査をした場合は刑事罰が科せられるような重い統計だということを安倍総理大臣は十分に理解しておらず、あらゆるものに影響があるという認識が全くない。まともに答えず、都合のいい数字だけをもって、延々としゃべることを改めないと、統計不正の問題は直らない」と述べました。

公明 石田氏「どこかちぐはぐな感じ」

公明党の石田政務調査会長は、記者会見で、厚生労働省の一連の対応について、「どこかちぐはぐな感じがする。組織の中で連携が取れておらず、それぞれ個人の考え方で動いているような気もする。『悪いことは、すぐに上司に報告や連絡をする』といった、当たり前のことが、ちょっと欠けているのではないか」と苦言を呈しました。