議院で代表質問
統計不正・北方領土

国会では、参議院本会議でも安倍総理大臣の施政方針演説などに対する代表質問が始まりました。

この中で、国民民主党の榛葉参議院幹事長は、厚生労働省の統計不正問題について、「不正処理の事実を認識していたにもかかわらず、これを隠し、予算案を閣議決定したばかりか、誤った統計を最新統計として発表する暴挙に出た。安倍総理大臣が施政方針演説で列挙した幾多の数字も本当に正しいか信用できず、予算審議ができない。当事者の厚生労働省が調査に関与すること自体問題だ」とただしました。

これに対し、安倍総理大臣は、雇用保険などへの信頼を損ったと陳謝したうえで「厚生労働省の特別監察委員会には、先般、それまでに明らかになった事実などについて報告をまとめてもらったが、さらにより独立性を強める形で厳正に検証作業を進めてもらっている」と述べ、第三者委員会の独立性をさらに強めて作業を進めていく考えを示しました。

そのうえで、安倍総理大臣は、「いただいたご批判は真摯(しんし)に受け止めたうえで、今回のような事態が二度と生じないよう徹底して検証を行い、信頼を取り戻すことが何より重要であり、再発防止に全力を尽くすことで政治の責任をしっかりと果たしていく」と述べました。

自民党の橋本参議院議員会長は、ロシアとの北方領土問題を含む平和条約交渉について、「ロシア国内の厳しい世論も伝わってくる。今回の首脳会談で、相互受け入れ可能な解決策を見いだすための共同作業を、日ロ両首脳のリーダーシップのもとで力強く進めていく決意が確認されたことは意義深い。どのように今後の日ロ交渉を進めていく考えか」と質問しました。

これに対し、安倍総理大臣は、「平和条約の問題については、プーチン大統領と2人だけで、じっくり時間をかけて突っ込んだ議論を行った。戦後70年以上残された課題の解決は容易ではないが、私たちは、これをやり遂げなければならない」と述べました。

そのうえで、安倍総理大臣は、「6月のG20大阪サミットにプーチン大統領をお招きし、合わせて首脳会談を行う。日本国民とロシア国民が互いの信頼関係や、友人としての関係をさらに醸成し、相互に受け入れ可能な解決策を見いだすための共同作業を力強く進めて、平和条約交渉をできうるかぎり前進させていく」と述べました。