阪 松井知事と吉村市長
辞職し出直しの意向

大阪府の松井知事と大阪市の吉村市長は、いわゆる「大阪都構想」の是非を問う住民投票への協力を求めている公明党と対立が深まっているのを受け、選挙で民意を問いたいとして、来年、そろって辞職し、統一地方選挙に合わせて行う知事選挙と市長選挙に、改めて立候補する意向を固めました。

大阪市を4つの特別区に再編するいわゆる「大阪都構想」をめぐり、大阪府の松井知事と大阪市の吉村市長は、来年の4月下旬までに、構想の設計図となる協定書を取りまとめたうえで、夏の参議院選挙と同じ日に住民投票を実施したい考えで、府議会と市議会で過半数の支持を得るため、公明党に協力を求めてきました。

これに対し、公明党大阪府本部の佐藤代表は、25日、参議院選挙と同じ日に住民投票を行うことに否定的な考えを示すなど、対立が深まっています。

これを受け、松井知事と吉村市長は選挙で民意を問いたいとして、来年、そろって辞職し、4月の統一地方選挙に合わせて行う知事選挙と市長選挙に、改めて立候補する意向を固めました。

松井知事は26日午後、大阪府庁で記者会見し「住民投票をもう1度やらせてもらいたいと、公約の1丁目1番地に掲げた。その公約によって支持され、今の仕事をしているので、公約を実現するためにさまざまな手段を取っていく」と述べました。

吉村市長「単独過半数取るため全力尽くす」

大阪市の吉村市長は26日午後、東京都内で記者団に対し、みずからの辞職と市長選挙への立候補を正式に表明する時期について「市民の生活に関わることなので、来年度予算の編成と区切りはしっかりとつけなければならない。その後はありとあらゆる手段を尽くす」と述べ、来年度予算案に一定のめどをつけたあとに表明する考えを示唆しました。

そのうえで、「都構想を実現するために、大阪府議会と大阪市議会で大阪維新の会が単独で過半数を取るため全力を尽くす。難しい戦いだが、市民に正面から訴えて審判を仰ぐことしか方法がない」と述べました。

公明 斉藤幹事長「『大阪都構想』反対だが丁寧な議論を」

公明党の斉藤幹事長は記者団に対し、「われわれは、『大阪都構想』には反対だが、議論は真摯(しんし)に積み重ねてきた。幅広い合意が得られるよう、今後も丁寧な議論を続けてほしい」と述べました。

自民 大阪府連 左藤会長「筋違いの話 残念だ」

自民党大阪府連の左藤会長は記者団に対し、「4年間の任期を与えられたのに、途中で投げ出して再び選挙を行うというのは、よほどの大義名分がないといけないが、大阪府民や市民には関係のない筋違いの話であり、残念だ。『大阪都構想』は、かつて住民投票で否決されたのだから、その結果を約束どおり守ってもらわなければならない。選挙となれば、しっかりとした候補者を立てて勝ちたい」と述べました。