しいのか意図的に
避けているか、会えず残念」

去年のノーベル平和賞の授賞式で演説したカナダ在住の被爆者、サーロー節子さんが、5日、外務省を訪れ、去年、国連で採択された核兵器禁止条約に日本も参加するよう要望しました。

サーロー節子さんは、ノーベル平和賞を受賞した国際NGOのICAN=核兵器廃絶国際キャンペーンとともに活動し、去年の授賞式でスピーチしたカナダ在住の被爆者で、5日に外務省を訪れ、辻外務政務官と面会しました。

この中で、サーローさんは「私たちの経験を誰にも繰り返してほしくないという思いで世界各地を回っている。唯一の被爆国である日本は、核兵器禁止条約には協力していない」と述べ、去年、国連で採択された核兵器禁止条約への参加を呼びかける河野外務大臣宛の手紙を手渡しました。

これに対し、辻政務官は「私から責任を持って外務大臣に渡したい」と応じました。

面会のあと、サーローさんは記者団に対し、「河野大臣とは直接お会いしたかったが、忙しいのか意図的に避けているのか、お会いできなかったのは残念だ。私たちが大切だと思うのは核兵器禁止条約に日本が批准することだ。政府は再度考えてほしい」と話していました。

「岸田氏は広島出身なので努力を」

サーロー節子さんは、5日、自民党本部で岸田政務調査会長と会談しました。

この中で、サーローさんは「岸田氏は広島出身なので、核廃絶へのメッセージを伝える努力をしてもらいたい。国会議員と市民との間で核廃絶に向けた対話を積極的に行ってほしい」と要請しました。

これに対し、岸田氏は、サーローさんの活動を評価する考えを伝えたうえで、「核兵器のない世界を目指すという理想は、日本政府も同じだ。その理想の実現に向けて具体的な結果につなげていきたい」と応じました。