史問題で関係が損なわ
れてはならない」ムン大統領

韓国のムン・ジェイン(文在寅)大統領は、太平洋戦争中の「徴用」をめぐる裁判で、日本企業に賠償を命じる判決が確定してから初めて日本との関係について言及し、「歴史問題によって協力関係が損なわれてはならない」と述べ、関係の悪化を望まない考えを示しました。

G20サミットに出席したムン・ジェイン大統領は、アルゼンチンから次の外遊先に向かう特別機の中で、1日、韓国メディアと懇談しました。

この中でムン大統領は、日本との関係について「歴史問題によって未来志向的に発展させるべき両国の協力関係が損なわれてはならない」と述べ、太平洋戦争中の「徴用」をめぐる裁判や慰安婦問題による関係の悪化を望まない考えを示しました。

ムン大統領が日韓関係について言及するのは、「徴用」をめぐる裁判でことし10月、韓国の最高裁判所が日本企業に賠償を命じてから初めてのことです。

またムン大統領は、アルゼンチンでアメリカのトランプ大統領と首脳会談を行った際、北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長へのメッセージを託されたことを明らかにしました。

この中身について、ムン大統領はトランプ大統領から「『キム委員長が好きだ。残るすべての合意を履行することを期待する。キム委員長の望みは私が成し遂げる』とのメッセージを伝えてほしいと要請された」と述べ、韓国政府が年内に実現したいとしているキム委員長のソウル訪問を、トランプ大統領も支持していると強調しました。

官房長官「日韓関係は厳しい状況 適切な対応を」

菅官房長官は午前の記者会見で、日本政府としてのコメントは控えるとしたうえで、「日韓関係は非常に厳しい状況にある。わが国としては、旧朝鮮半島出身労働者問題にかかる韓国の大法院の判決や慰安婦問題など、さまざまな問題について一貫した立場に基づいて、韓国側に適切な対応を求めていきたい」と述べました。