僚経験者ら11人の団体
談合や脱税の企業から献金

NHKが、30日までに公表された政治資金収支報告書を調べたところ、去年までの4年間で、閣僚経験者を含む11人の国会議員の政治団体が、談合で行政処分を受けたり、脱税などで有罪判決を受けたりした企業から献金を受けていたことが新たにわかりました。
専門家は「不正をした企業からの献金を規制する法律はないが、議員側は世論の理解が得られにくい企業からの献金を受けないよう注意する必要がある」と指摘しています。

NHKは、国会議員が関係する政治団体について、30日までに総務省や都道府県の選挙管理委員会が公表した去年の政治資金収支報告書や、保存義務があった平成26年までの報告書を調べました。

その結果、去年までの4年間に、閣僚経験者を含む自民党の11人の国会議員の政党支部が、談合で有罪判決や行政処分を受けた企業、脱税で有罪判決を受けた企業、汚職事件で幹部が有罪判決を受けた企業から献金を受けていたことが新たにわかりました。

このうち麻生副総理兼財務大臣の政党支部は、平成26年に談合事件で有罪判決を受けた設備工事会社から判決の翌月に30万円の献金を受け、その後の3年間も30万円ずつ合わせて120万円の献金を受けていました。

また野田前総務大臣の政党支部も、脱税事件で有罪判決を受けた健康食品販売会社から平成26年に25万円の献金を受けていたほか、中曽根元外務大臣の政党支部も、平成26年に談合事件で有罪判決を受けた設備工事会社から去年までの4年間、毎年12万円ずつ献金を受けていました

11人のうち麻生副総理兼財務大臣、野田前総務大臣、中曽根元外務大臣など6人の事務所は、NHKの取材に対し「道義的に責任がある」などとして返金する方針だと説明しています。

一方、自民党の石井準一参議院議員の政党支部は、平成26年に談合事件で行政処分を受けた建設会社2社から去年までの4年間に、合わせて1800万円余りの献金やパーティー券代を受け取っていましたが、石井氏の事務所は「法令に従って適正に処理した」などとしています。

政治資金規正法では談合などの不正に関与した企業からの献金を制限する規定はなく、11人のうち石井氏など5人の事務所は「適正に処理した」と回答し、対応が分かれる結果となっています。

政治資金に詳しい日本大学の岩井奉信教授は「談合や脱税をした企業からの献金を規制する法律はないが、議員側は世論の理解が得られにくい企業からの献金を受けないよう注意する必要がある」と話しています。