法審査会の合意なき開催
「憲法論議は100年遅れる」

衆議院憲法審査会が与野党の合意がないまま開催されたことを受けて、立憲民主党など野党6党派は自民党に対し、「おきて破りをやった」などと強く抗議しました。

立憲民主党など野党6党派の国会対策委員長は、衆議院憲法審査会が与野党の合意がないまま開催されたことを受けて、自民党の森山国会対策委員長と会談しました。

この中で、立憲民主党の辻元国会対策委員長は「憲法審査会で絶対にやってはならないおきて破りをやった。憲法論議は100年遅れる」と強く抗議しました。

これに対し森山氏は「憲法審査会は国の根幹となる議論をする場なので、今まで積み上げてきたよき伝統は守らなければならないが、どう新しい感覚を取り入れて審議するかという視点も大事だ。今後は審査会の幹事とよく相談し、国民から批判されることなく、しっかりとした議論ができるよう努めたい」と述べました。

自民 森山氏「慎重な対応も必要だ」

森山氏は記者団に対し「国民に自民党が目指す憲法改正がどういうものか、できるだけ早く公式な場で説明することは与党としての責務だが、トラブルが起こるようなやり方はあってはならず、慎重な対応も必要だ」と述べました。

また、先の国会から継続審議となっている国民投票法の改正案について、「まだ参議院側と協議していないが、会期内の成立を目指して最善の努力をするのは当然だ」と述べました。

維新 馬場氏「自民の改正案提示 目標に」

日本維新の会の馬場幹事長は、党の代議士会で、「今の国会の会期末まで、あと1回、定例日が残っているが、積み残されている国民投票法の改正と合わせて、自民党の4項目の憲法改正案の提示を最後の最後まで目標として掲げてやりたい」と述べました。

希望 松沢氏「憲法の審議活性化 国会の責務」

希望の党の松沢代表は、記者会見で、「国民投票法の改正案が継続審議になっているにもかかわらず、『ああだ、こうだ』と理由をつけてボイコットするのは、国民の理解を得られない。憲法の審議を活性化させるのが国会の責務で、参議院でも必ず憲法審査会を開いて、われわれの憲法改正条項を投げかけ、意見を頂きたい」と述べました。

立民 辻元氏「安倍一派が環境壊した」

辻元氏は会談後、記者団に対し「野党の合意のないまま幹事の選任を強行したのは、憲法論議の最後のとりでが決壊したという意味に等しい。与党側が、憲法論議ができない環境を作ってしまっている」と述べました。

さらに党の代議士会で、「安倍総理大臣の任期中に思いを果たすための改憲論議を、安倍総理大臣の意に沿う人が強引に進めようとして、きょうの事態を招いている。静かな環境を壊したのは『安倍一派』ではないか。憲法審査会を強行することが、『全身に回る毒を発する』ということを理解していない」と述べました。

国民 玉木氏「開催は与党側のオウンゴール」

国民民主党の玉木代表は、党の代議士会で、「私たちは憲法審査会の議論から逃げていない。『いつでも来い』と、CM規制を入れた国民投票法の改正案まで用意している。審査会の幹事が、ほかの委員会に出席しているときに審査会を開催したのは、私たちを議論から排除しているのではないか。与党側のオウンゴールで自爆行為だ」と述べました。