党の皆さんに
不快な思い」下村氏が陳謝

自民党の下村憲法改正推進本部長は、衆議院憲法審査会をめぐる野党側の姿勢を「職場放棄」と批判したみずからの発言について「野党の皆さんに不快な思いをさせおわび申し上げたい」と陳謝しました。

衆議院憲法審査会をめぐって、自民党の下村憲法改正推進本部長は先週、野党側の姿勢について「議論さえしないのであれば国会議員として職場放棄だ」と批判し、野党側は謝罪を求めるなど反発を強めています。

下村氏は15日朝、東京都内で講演し「自民党の憲法の責任者であるにもかかわらず野党の皆さんに不快な思いをさせてしまい、おわび申し上げたい」と述べ、陳謝しました。

このあと下村氏は記者団から発言を撤回するのかと質問され「撤回と言えば、撤回だ。反省し、今後、国会で与野党が協調できるよう党側からしっかり汗をかいていきたい」と述べました。

また下村氏は、衆議院憲法審査会の幹事への就任は辞退する一方、委員は続ける意向を示しました。

立民 辻元氏「強引な審査会は言語道断」

立憲民主党の辻元国会対策委員長は記者団に対し「誰に謝罪しているのか分からない。憲法審査会は与野党の合意に基づいて議論しており、強引に審査会を開かせて自分たちの案を提示したいというのは言語道断だ」と述べました。

国民 原口氏「謝罪するなら出向くべき」

国民民主党の原口国会対策委員長は記者会見で「謝罪するなら、記者会見を開くなり出向くなりしたほうがいい。憲法について理解を欠いた発言は議論の根底を崩してしまうので、ご自戒なさったほうがいい」と述べました。

公明 北側氏「野党の立場も理解しなければ」

公明党の北側 憲法調査会長は記者会見で「下村氏の『職場放棄』という発言が適切だとは全く思わない。野党の立場も理解しなければいけない」と述べました。

そのうえで、国会の憲法審査会について「できるだけ速やかに開かなければならない。継続審議になっている国民投票法の改正案は、野党も全く異論がないと思うので、早く審議し、成立を期したい」と述べました。

共産 志位氏「首相発言が元にある」

共産党の志位委員長は記者会見で「下村氏の発言は許しがたいが、安倍総理大臣が『憲法審査会に各党が改正案を持ち寄って議論するのが国会議員の責任だ』と言ったことが発言の元になっている。憲法を守る姿勢が全くない安倍総理大臣のもとでまともな議論はできない」と述べました。

希望 松沢氏「『職場放棄』は正論」

希望の党の松沢代表は記者会見で「『職場放棄』という発言は正論だ。下村氏は『不服だが、謝るしかない』ということで、審議の正常化を求めたのだと思う。野党が憲法審査会を開かせないというのは政党としての責任放棄と言われてもしかたがない。反対なら反対で論陣をはるべきだ」と述べました。

社民 吉川氏「憲法議論に加わるのは疑問」

社民党の吉川幹事長は記者会見で「『憲法改正の議論をしなければ職場放棄だ』という発言は、どこをどうひねるとそういう考え方が出てくるのか全く理解不能で、そういう人が憲法審査会の議論に加わるのが適切なのか疑問だ。今は憲法審査会を開く時ではない」と述べました。