がINF破棄の意向
懸念の意見相次ぐ 賢人会議

核軍縮の進めかたを専門家が話し合う政府主催の「賢人会議」が被爆地・長崎で開かれ、出席者からはアメリカが、INF=中距離核ミサイル全廃条約を破棄する意向を示したことを懸念する意見が相次ぎました。

「賢人会議」は、去年7月に核兵器禁止条約が国連で採択され、核軍縮の進めかたをめぐって各国の意見対立が一層鮮明となる中、核保有国と非保有国の専門家が意見を交わす政府主催の会議で、これまでに広島や東京で開催されたのに続き、ことしは被爆地の長崎市で開かれました。

日本のほか、アメリカやロシア、エジプトなど各国の専門家15人が出席し、オープニングセッションで、辻外務政務官は、英語で「世界の安全保障環境は現在も厳しく、核軍縮の進めかたに関する意見対立も続いている。立場の違う国の架け橋となる提案が生まれることを願っている」とあいさつしました。

このあと、会議では、核兵器禁止条約が採択されたことも踏まえた核軍縮の進め方などについて意見が交わされ、アメリカが、INF=中距離核ミサイル全廃条約を破棄する意向を示したことを懸念する意見が相次ぎました。

会議は15日まで行われ、政府は、その結果を、核軍縮の方向性を話し合う2020年のNPT=核拡散防止条約の再検討会議での議論に生かしたいとしています。