ラン経済制裁 日本は
適用対象除外」トランプ政権

アメリカのトランプ政権はイラン産原油の禁輸などを盛り込んだ経済制裁について、イランと取り引きのある日本や中国など8つの国や地域を一時的に適用対象から除外すると発表しました。

アメリカのトランプ政権はイラン核合意から一方的に離脱したことに伴い、原油や金融の取り引きなどの分野で5日、経済制裁を発動させました。

この制裁をめぐって日本時間の5日夜、ポンペイオ国務長官とムニューシン財務長官が記者会見し、イランと原油取り引きのある日本を含む8つの国や地域を適用対象から除外し、その期間、原油の輸入を認めると発表しました。

イランにとって最大の輸出国の中国をはじめ、インド、韓国、台湾が含まれています。
トルコ、イタリア、ギリシャも適用対象から除外されました。

これに先立ってアメリカ国務省の高官は、適用を除外する期間は最長で180日間になるという認識を示し、各国にはあくまでも原油の輸入を完全に停止するよう求めています。

またムニューシン財務長官は、イランに関連する700以上の個人や団体を制裁の対象にすると発表しました。

世界第4位の産油国であるイラン産の原油を標的にした今回の制裁によって、原油価格が今後も不安定な状況が続くことが予想されます。

石油元売り各社の対応は

イラン産原油を対象とした経済制裁の発動を見越して、日本の石油元売り大手各社は先月からイラン産原油の輸入を一時停止しています。

今回、アメリカが日本に対して制裁発動後も一時的にイラン産原油の輸入を認めることを公表したことを受けて、各社は今後輸入できる量などの条件を見極め、輸入を再開するかどうか判断することにしています。

ただ、アメリカ側は輸入できる期間が最長で180日間になるという認識を示していることから、輸入を再開しても再び停止せざるをえない可能性もあるとしています。

官房長官「日本の立場踏まえた決定」

これについて、菅官房長官は閣議のあとの記者会見で「米側は、日本側の基本的な立場を踏まえて決定したと理解している」と述べました。

そのうえで、菅官房長官は「現時点で、適用除外期限以降の話は控えたい。いずれにせよ、政府としては、日本企業の活動に悪影響が及ばないよう米国と緊密に検討を続けていきたい」と述べ、日本企業の活動に悪影響が出ないよう、アメリカ側と意見交換を続ける考えを示しました。

経済産業相「懸念を十分に考慮した結果だ」

世耕経済産業大臣は閣議のあとの記者会見で「今回の決定は、これまで、日本政府が申し入れしてきた、エネルギーの安定供給や日本企業の活動に対する懸念をアメリカが十分に考慮した結果だと理解している」と述べました。

そのうえで世耕大臣は、アメリカが適用除外の期間が最長180日間になるという認識を示したのに対して、「日本企業の活動に悪影響を及ぼさないよう引き続き緊密に意見交換をしていきたい」と述べ、継続して輸入を認めるよう働きかけていく考えを示しました。

外相「今後もアメリカ側と話し合う」

河野外務大臣は記者会見で「適用除外となったのは、これまで日本がエネルギーの安定供給や企業に悪影響が及ばないよう申し入れてきた結果だ。ただ、適用除外の期間は最長で180日間となっており、日本企業への悪影響が出ないように今後もアメリカ側としっかり話し合っていきたい」と述べました。