「私が作ったペーパーで
懸念を」高市議院運営委員長

衆議院本会議は、自民党の高市議院運営委員長が、国会改革をめぐってみずからの案を公表したことに野党側が反発したことから、午後1時に予定していた開会が45分遅れました。
自民党の高市衆議院議院運営委員長は、先週、国会改革を目指す超党派の衆議院議員と会談した際、ペーパーレス化の促進や法案審議の在り方の見直し、押しボタン式の採決の導入など、みずからの案を紙にまとめて公表しました。
これについて、29日に開かれた衆議院議院運営委員会の理事会で、野党側は「勝手な提案で、認められない」などとして、謝罪と撤回を求めたのに対し、高市委員長が「私的なメモだ」などとして、応じませんでした。
このため、衆議院本会議は午後1時から、安倍総理大臣の所信表明演説などに対する各党の代表質問を予定していましたが、開会が遅れました。
こうした状況を受けて、高市委員長は理事会で、「議院運営委員長の肩書や日付が記された私的メモは撤回する」とした文書を配り、野党側も受け入れました。
そして、衆議院本会議は45分遅れの午後1時45分から開会しました。
立民 辻元国対委員長「経緯を聞くまで前に進めない」
立憲民主党の辻元国会対策委員長は野党6党派の国会対策委員長らによる会合で「議院運営委員長は中立・公正な立場でなければならないが、あたかも『立法府が行政府の下請け機関にみずから進んでなる』と取られかねない文書だ。自分の思いで、各党と調整もせず突っ走っているのではないか。文書の撤回と謝罪、しっかりとした経緯の説明を聞くまで立法府として前に進めないのではないか」と述べました。
国民 原口国対委員長 高市委員長 解任すべきの考え
国民民主党の原口国会対策委員長は記者会見で「『閣法のあとに議員立法を審議する』など勝手な提案をしているが、ほとんど暴言、妄言のたぐいだ。立法府が行政府の下請けになることを公言するもので、謝罪や撤回ではすまない」と述べ、高市委員長を解任すべきだという考えを示しました。
高市議運委員長「ご迷惑おかけした」
自民党の高市衆議院議院運営委員長は、記者団に対し、「あくまで私自身の目標を書いたものであり、議院運営委員長としての見解だと受け取られてしまっては、大変ご迷惑のかかる話なので、肩書と日付は取らせてもらった」と説明しました。
そのうえで、高市氏は「私が作ったペーパーのせいで、野党に懸念を与えてしまい、ご迷惑をおかけしたと思っている。ただ、十分に意見を聞いて、改革はともに進めていきたい」と述べました。