賊版サイト対策で賛否
中間取りまとめ異例の断念

漫画などをインターネットに無断で公開する「海賊版サイト」への対策を協議していた政府の有識者会議は、焦点となっていた、悪質なサイトを閲覧できないようにする「ブロッキング」の法制化をめぐり、賛成と反対の意見の溝が埋まらず、中間取りまとめを断念する異例の事態となりました。

漫画やアニメなどをインターネットに無断で公開する「海賊版サイト」が問題となる中、政府は、学識経験者や弁護士、インターネットプロバイダーの団体の代表などによる会議を設置し、対策の検討を進めています。

これまでの会合では焦点となっている「ブロッキング」の法制化について、出版社や作者の被害を防ぐため法制化の議論を推進すべきだという意見と、「通信の秘密の侵害にあたる」として、反対する意見が出され、歩み寄りは見られていません。

15日開かれた9回目の会合で、会議の事務局は意見の一本化は難しいとして、「ブロッキング」の法制化について、賛成と反対の意見を併記する案を示しましたが、主に反対の立場から異論が相次ぎました。

そのため、会議は、予定していた中間取りまとめを断念し、さらに今の時点では次回の会合を開く予定もないことから、今後の協議の見通しが立たない異例の事態となりました。