岸田首相 ウクライナから帰国「支援の重要性を改めて感じた」

ウクライナを訪問し、ゼレンスキー大統領と首脳会談を行った岸田総理大臣は一連の日程を終え、23日朝、帰国しました。今後は5月のG7広島サミットでウクライナ情勢をめぐる議論を主導し、早期の侵攻停止につなげる糸口を見いだせるかが焦点となります。

岸田総理大臣は、事前に日程を公表することなく訪問先のインドを離れてポーランド経由で日本時間の21日ウクライナに入りました。

そして、ゼレンスキー大統領と首脳会談を行い、ウクライナに殺傷能力のない装備品を支援するため3000万ドルを拠出することを表明し、今後も必要な支援を着実に実施していく考えを伝えました。

また、5月のG7広島サミットで法の支配に基づく国際秩序を守り抜く決意を示したいという考えを伝え、ゼレンスキー大統領もオンラインで参加することになりました。

その後、岸田総理大臣は、ポーランドに戻ってドゥダ大統領とモラウィエツキ首相とそれぞれ会談し、ウクライナ訪問にあたっての協力に謝意を伝えたうえで、人道支援などの拠点となっているポーランドの負担も増しているとして、ODA=政府開発援助を通じて支えていく意向を示しました。

一連の日程を終えた岸田総理大臣は、23日午前6時半ごろチャーター機で帰国しました。

今後は、広島サミットでウクライナ情勢をめぐる議論を主導し、早期の侵攻停止につなげる糸口を見いだせるかが焦点となります。

岸田首相が官邸入り「ウクライナ支援の重要性を改めて感じた」

ウクライナ訪問など一連の外交日程を終えて、23日朝に帰国した岸田総理大臣は、午前9時前、総理大臣官邸に入る際、記者団に対し「1月にウクライナ訪問の招へいがあり、それを受けてタイミングを調整してきた。ウクライナを訪問することによって、侵略の現場を自分の目で見て、悲惨な体験をされた方から直接話を聞かせてもらい、ロシアによるウクライナ侵略は国際秩序を揺るがす暴挙だと痛感した」と述べました。

その上で「ゼレンスキー大統領と会談し、ウクライナ支援の重要性を改めて感じたし、法の支配に基づく国際秩序を堅持しなければならないという思いを新たにした。こうした経験を踏まえて、G7広島サミットの準備を進めたい」と述べました。