首相のウクライナ訪問 “事前報告省略も” 安住氏“帰国後でも”

岸田総理大臣がウクライナ訪問を検討していることをめぐり、与野党からは、情報保全の観点から、例外的に事前の国会への報告がなくても容認する意見が相次いでいます。政府は、各党の間で、どこまで理解が広がるか見極めながら、訪問実現に向けた調整を続ける方針です。

政府は、ゼレンスキー大統領からの招待を受けているのに加え、G7の議長国としての立場からも、岸田総理大臣のウクライナ訪問について検討を続けていますが、事前に国会に対して、総理大臣の海外出張を報告する慣例があることなどから、情報保全が難しいとして安全確保への懸念が出ています。

これについて、自民党の高木国会対策委員長は、記者団に対し「慣例的に国会への事前報告をやっているが、それに当てはまらない場合もある。安全を確保して行ってもらうことは必要なので、国会として対応することはあるかなと思っている」と述べ、国会への事前報告を省略することもありうるという認識を示しました。

立民 安住国対委員長「帰国後に国会に報告してもらえばよい」

立憲民主党の安住国会対策委員長は、記者団に対し「国会が訪問の足かせになるようなことはすべきでないと思うし、ウクライナに行くのであれば、帰ってきたときにしっかり国会に報告してもらえばよい」と述べました。

政府 訪問実現に向け調整へ

政府は、G7=主要7か国の議長国としての外交に配慮する動きだと受け止めていて、各党の間でどこまで理解が広がるか見極めることにしています。

ただ、ほかのG7各国のように、軍隊や特殊機関などを持たない日本が、戦地で安全を確保するのは容易ではないという指摘もあり、こうした課題への対応もあわせ、訪問実現に向けた調整を続ける方針です。